映画『フェリスはある朝突然に』。
ジョン・ヒューズ監督、1986年に公開された青春映画。
「人生は短い」突如そう思い立って、学校をズル休みをした高校生の一日を描いています。
フェリスはある朝突然に
作品情報
製作年度 |
1986年 |
上映時間 |
102分 |
監督 |
ジョン・ヒューズ |
キャスト |
フェリス・ビューラー (マシュー・ブロデリック)
キャメロン・フライ(アラン・ミック) (ミア・サラ)
ジーニー・ビューラー(ジェニファー・グレイ)
ドラッギー |
本作でなぜか、ちょろっと登場するチャーリー・シーン。役者としては成功したけれど女性関係に難ありな俳優。2015年、HIVの感染を発表して大騒ぎになったことを覚えている人も多いのでは?
なんて平和な時代なのだろう
シカゴに暮らす高校三年生のフェリス(マシュー・フレデリック)は「人生は短い」とある朝ふと思い、学校をズル休みしようと決める。親には「めまいがする」「胃が痛い」と出まかせを言って自由の時間を難なくゲットする。
両親はやたらと心配するけれど、フェリスの妹ジーニー(ジェニファー・グレイ)はフェリスが嘘を吐いているとわかっているから文句たらたら。
フェリスは友達のキャメロン(アラン・ミック)に協力させ、ガールフレンドのスローン(ミア・サラ)も早退させ、キャメロンの父親のフェラーリを持ち出して、三人でドライブを楽しみます。
なんというのか時代もあって能天気な流れ。主人公のフェリスはすごく適当で何も考えていない。でも運がいいのでトラブルから逃れられている。こういう運のよさは生きるためには必要ですね。
ただし、彼らの高校の校長(ジェフリー・ジョーンズ)は、フェリスのズル休みに気づいていて、何とかして尻尾を捕まえてやろうとしている。そして自宅まで追いかけるのですが……。
怖いもの知らずのフェリスは、フェラーリを怪しい駐車場に駐車させ、自分を疑いまくる校長のこともどうにか煙に巻くのでした。
このままハッピーな一日でいられるのか、それとも痛いツケを払うことになるのか。両親にズル休みはバレてしまうのか。そこがこの映画の一番の見所です。
学校をサボる楽しさと将来への焦燥感
学校をサボりたくなる気持ちや、サボった経験は誰にでもあるはず。でもサボったところで何かすごいことが経験ができるわけじゃなく、大したことができずに終わることがほとんど。
ただ今頃、世界史Bの退屈な授業だな、と教室にいる自分を仮想して楽しむくらいがせいぜい。それを考えるとフェリスたちは、なかなか充実した一日を過ごします。
フェリスたち三人は、フェラーリで街を走り、高級レストランに入り、美術館や野球観戦を楽しむ。でもフェリスが本当にしたかったのは、高校時代の終わりを感じて、最後にちょっした(?)馬鹿騒ぎを楽しむことでした。
一級下の恋人のスローンとは結婚するつもりでいるけれどそれは少し先のことで、フェリスが卒業したら毎日は会えない。同級生のキャメロンとも別の大学に通ってしまえばそうは遊べない。そんなことを考えたフェリスの一日の過ごし方でした。
キャメロンは思ったことを言葉にできない性格で、父親が自分よりもフェラーリを大切にしていることが内心不満でした。だから自由なフェリスを羨んでいて、そのことをようやく言葉にできるようあったなど、進歩はあったみたいです。
何かに煮詰まったり、環境が変わったりしたときに観ると楽しめる映画だと思いました。
「人生は短い」フェリスはエンディングでもそう繰り返します。そう、この映画のテーマはそこ。高校生の言葉だから説得力がないようでいて、若いのに達観していて面白みもある。色々知ってしまった大人だけど、たまにはしがらみから開放されて、自由になるのもいいんじゃないかなと思える映画でした。
▼青春映画はこちらにも。
それではまた。
のじれいか でした。