舞台は夜の世界……ある日突然襲われたバーテンダーが、記憶の一部が欠損しているのに気づく…ドラマ『ダイイング・アイ』は、東野圭吾原作のサスペンスホラー。
過去を失った男の、謎に包まれたジレンマと葛藤が、次第に明かされていく神秘的で官能的なストーリー。主演の三浦春馬のバーテンダー姿がエロかっこよくて悶絶です。艶っぽいサスペンスが見たいときには絶対おすすめなドラマです。
ここではドラマ『ダイイング・アイ』のストーリーをネタバレでありでご紹介、事故の真実、タイトルの意味、感想などを書きます。
日本未公開の映画なのでこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
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ダイイング・アイ
※本記事の情報は2021年6月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。
作品情報とキャスト
2019年 60分×6回
監督:国本雅広
●雨村慎介(三浦春馬):「茗荷」のバーテンダー。ある晩店を出た場所で襲われる記憶を欠損。1年前半前に交通事故を起こし女性を死なせていた
●岸中美菜絵/瑠璃子(高橋メアリージュン):事故の被害者と謎の女
●村上成美(松本まりか)クラブホステス。慎介と同棲している
●岸中玲二(柿澤勇人)マネキン職人、美菜絵の夫
●江島光一(生瀬勝久)「シリウス」のオーナー、「茗荷」のママとは古い付き合い
●小野千都子(堀内敬子)「茗荷」のママ、いい人そうだが?
●小塚洋平(木村祐一)事件を追う刑事
●木内春彦(淵上泰史)帝進建設の社員
予告
ストーリー
雨村慎介(三浦春馬)はバー「茗荷」で働くバーテンダー。閉店間際、ひとり店にいた慎介の前に、岸中玲二(柿澤勇人)が客として現れる。
岸中は慎介に、妻との思い出をそれとなく話して店を出るが、閉店して店をでた慎介に襲いかかった。
岸中に襲われて頭を強打した慎介は、手術を経て奇跡的に意識を取り戻すが、記憶の一部を失ってしまう。
慎介が欠損したのは「1年半前の交通事故の詳細な記憶」で、ピアノ教師の岸中美菜絵(高橋メアリージュン)を車で轢き殺してしまった過去だった。
岸中は慎介を襲った後に自死したことを刑事の小塚(木村祐一)から告げられる。
慎介は事故前、江島光一(生瀬勝久)が経営する「シリウス」のバーテンだったが、事故後、執行猶予を受けてからは、小野千都子(堀内敬子)の店でバーテンダーとして働いていた。
慎介は失われた記憶が気になって仕方ないが、慎介の同棲相手でホステスの成美をはじめ、慎介の世話をしている江島、千都子らは、慎介を心配しているようで、実は慎介に事件を思い出させたくない様子がありありとわかる。
また美菜絵と瓜二つの容姿で謎の女・瑠璃子(高橋メアリージュン)が慎介の前に現れるようになり、慎介は瑠璃子に見つめられると何も言い返せない不思議な力に翻弄される。
主人公の雨村慎介が事故の記憶を失ったことを好都合と捉える人がいるということは、慎介に事故の責任を負わせているか、もしくは別の理由があるのか。いずれにしても警察に報告された事故原因とは、別の真実が隠されていることを想像させます。
「1年半前の交通事故の詳細」
ピアノ教師の岸中美菜絵(高橋メアリージュン)は、雨の夜、自転車で帰宅途中、前方から来た車に追突されて命を落としてしまう、物語の核になる自動車事故の内容は次のようなものでした。
[平成29年3月24日、午前3時、江東区清澄の路上]
・雨で霧がかかっている中、美菜絵が自転車に乗って木場方面に向かっていた。
・美菜絵の後方を走っていた慎介の運転する車が、美菜絵に接触。
・慎介はハンドルを右に切り、対向車線からきた車が慎介の車を避けようとして、倒れた美菜絵に追突。
・美菜絵は全身打撲と内臓破裂で絶命した。
つまり、被害者の美菜絵を轢いたのは、慎介が運転している車ではなく、木内春彦(淵上泰史)という、帝進建設の社員が運転していた車でした。
慎介が思い出さない方が都合のよい人たち
銀座のバー「シリウス」は、慎介が事故まで勤めていた店でしたが、その後、シリウスのオーナー江島光一(生瀬勝久)は、小野千都子(堀内敬子)の店「茗荷」に慎介を紹介して慎介は茗荷で働いていた。
江島と千都子は一見して感じのよい人物ですが、絶対に裏があるのは見てとれる。それに二人は男女の関係もあり、何かやばいことを隠しているらしいことは察しがつきます。
慎介は最初、江島と千都子に、事故の記憶について相談しますが、彼らは慎介に思い出させたくないので、打ち明ける相手が違います。
江島は既婚者だが、千都子のほかにもホステスの由佳(立花恵理)がいるなどお盛ん。また江島の商売は一見うまくいっているようだが、実は厳しい経営状態になることをシリウスの店員が噂しています。
消える成美
成美と慎介は同棲中で、慎介が岸中玲二に襲われて入院しているときも、慎介に寄り添っていたのは成美でした。
ふたりは深い愛情で繋がっているわけではないものの、叶わない夢を見ながら、肩を寄せ合うようにして暮らしていた。
借金まみれで金のほしい成美は、慎介が隠し持つ「何か」を探していましたが、ある日突然、姿を消してしまいます。
瑠璃子に迫られる慎介
事故の被害者、岸中美菜絵に見たが目そっくりな謎の女・瑠璃子は、なぜかちょいちょい「茗荷」に顔を出すように。
慎介は瑠璃子の不思議な力に引き込まれ、関係を持ってしまいます。でも慎介はなぜ瑠璃子が自分の前に現れるのか、目的が何かがわからず逡巡します。
ある晩、瑠璃子は慎介をタワーマンションの一室に呼び関係を持つのですが、その後慎介は部屋に足枷をされて閉じ込められてしまう。
困った慎介が助けを求めるのは、刑事の小塚洋平(木村祐一)、案外いい仕事をしています。
岸中玲二(柿澤勇人)マネキン作家の事情
岸中玲二は<第一話>で、バーの客として登場し、慎介を襲ってからすぐに自死するので、時系列的にはその後登場しないのですが、後半で物語の伏線を繋ぐ意味あいで遡ります。
美大で彫刻を学んだ岸中はマネキンの会社に就職。マネキンを飾るため訪れた催事会場でピアノを演奏する音大卒の岸中美菜絵に一目惚れ。交際を経て結婚した。
夢のような時間が過ぎ、やがて美菜絵は妊娠。美菜絵が事故当日、深夜に自転車を走らせていたのは、ピアノコンクールに出場する生徒を指導していたためでした。
木内春彦(淵上泰史)とは?(ネタバレあり)
事故の直接の加害者である人物が、木内春彦(淵上泰史)であることを聞き出した慎介は木内の元を訪ねます。
事故当時のことを話したい慎介に対して、木内は触れたくないことだからと素っ気ない態度。木内の気持ちはわかりますが、木内は高級マンション暮らしで派手に飲んでいる様子で、刑事の小塚は、木内の金の出どころが気になっている。
ただ木内は今の暮らしがまったく幸せそうではなく、逆に不幸そうに見えるので、何か秘密を抱えているのだと察することができます。
交通事故の真相とその後(ネタバレ)
事故の真相
事故当夜、江島の車を慎介が運転していたとされていたが、実は運転していたのは江島でした。
被害者を轢いた車を運転していたのも、木内ではなく同乗者の上原ミドリという女性でした。
江島と慎介
木内から運転していたのは自分にして欲しいと口裏合わせを頼まれた江島は、悪どいことを思いつきます。自分の車も運転していたのは慎介だったということにして、慎介に罪を被らせようとしたのです。
バーを開業資金が欲しい慎介は、金に釣られて3,000万で江島の申し出を引き受ける。
だが慎介に渡した金を取り戻そうと、自宅に隠されているはずの現金を探すよう成美に命じ、成美が探し当てた現金を持ち逃げようとして江島に見つかり殺害されていた。
記憶を取り戻した慎介は、今度は成美殺害と合わせて5,000万円を江島に請求します。
木内と上原ミドリ
上原ミドリは木内が務める帝都建設の社長の娘で、木内の元婚約者でした。木内はミドリを庇って自分が運転していたことにしてほしいと、その場に居合わせた江島に頼んで口裏を合わせます。
でも事故後、ミドリは精神を病んで別人のようになってしまい、木内との結婚は白紙に。その後木内は、ミドリの世話役として高額で雇われていました。
美菜絵とミドリと瑠璃子
運転していたミドリは、目の前で美菜絵が絶命するのを見てしまった。
そのときの美菜絵の目力に呪われたミドリは、精神を病んで別人になってしまう。
謝罪として美菜絵の夫・岸中に接触するうち、岸中がマネキンで美菜絵を復活させる手助けをしたり、自分も美容整形をして美菜絵になりきることで、岸中に必要な存在になろうとしました。
でもどれだけ美菜絵になりきろうとしても、岸中が求めるのは美菜絵本人で、そっくりなミドリではない。ミドリは所詮、妻にそっくりになった妻を殺した相手です。
絶望した岸中は、死を覚悟して慎介に会うため店に行った。でもそこにいる慎介は本当は運転もしていないので罪悪感がない。(慎介は岸中を事故の被害者の夫であると認識していません。)そんあこともあって、慎介の態度に岸中は慎介に怒りを感じ、襲いかかった。
岸中が自らの命を断ち、心の行き場を失ったミドリは、今度は瑠璃子として慎介の前に現れました。瑠璃子は慎介に「あなたの子供が欲しい」と何度か口にしていましたが、それは妊娠していた美菜絵の代わりを、ミドリが瑠璃子としては果たそうとしたのかもしれません。
ダイイング・アイの意味
岸中美菜絵が絶命する瞬間の目を見たミドリに、美菜絵の目が憑依し、やがてその目を見てしまうと金縛りのようにり動けなくなる力を持つようになった。
ミドリが瑠璃子として慎介の前に現れたときも、慎介は瑠璃子の目を見て取り憑かれたようになってしまう。事故に遭うなどとは思いもせず、幸せの絶頂で命を絶たれることなり、悲惨な運命を辿った呪いの目を意味します。
好きなところ・気になったところ(ネタバレあり)
まず慎介はかっこいいです。美しいです。尊いです。事故の身代わりを打診されたとき、金額を釣り上げるのは別に悪いことではない(と思う)。それだけ江島が悪どいのからかもですが。
最終話、口止め料の受け渡しするため、慎介と江島は銀座の喫茶店で会います。運不運や被害者についての罪悪感を尋ねる慎介に、江島は「俺もお前も悪くない」と答える。
「賠償後の被害者に何が起きようと、俺には関係ないことだ」そう言い切る江島に、慎介は言い返しますが、「お前も同類だよ(金が欲しいんだろ)」と言われて切なそうな表情で少し涙ぐむ慎介の表情が大変よい。このドラマの一番いい場面だと思います。(泣けました)最終話、33分くらいのことろです。
慎介に払った身代わりの対価、3,000万円を持ち逃げしようとした成美を殺めてしまう江島は「自分は悪くない」「すべてが運次第」と語りますが、それほど運がよくない人っぽいですね。周囲を犠牲にしながら自分を通してきただけ。「俺が信用できないのか」と慎介に言いますが、この人を信用できる人はいないと思います。
あと細かい細かい部分が気になりました、事故の関係者が全員逮捕され、慎介はすぐに出所しますが、そこでなぜか茗荷のママが「店やめるの?それもいいかもね」と呑気に登場するところです。この人、成美を江島に引き渡しているし、殺人幇助にならないのか疑問でした。
慎介と江島が向かい合う喫茶店は、「支留比亜珈琲店 新橋銀座店」ですが、現在は閉店しています。
支留比亜店舗案内 本物の珈琲をお届けする支留比亜珈琲 フランチャイズ本部
サスペンスとしての構成はさすがだなと思いましたが、被害者の不幸と悲しみを説明するのに、ダイイング・アイの説明はわかりにくい印象がありました。
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それではまた。 のじれいか でした。