仕事はリストラ、お酒飲みで彼氏から部屋を追い出されてしまうダメ女が、巨大怪獣とシンクロ? そんなちょっと風変わりな、ファンタジーが『シンクロナイズドモンスター』(Colossal)。
主演はアン・ハサウェイにジェイソン・サダイキス。
すっごく変な話なのですが、なかなか楽しめました。
酔うと記憶をなくしがち…な人は共感できるところが多いかも。
映画のストーリーとおすすめポイント、率直な感想などをご紹介します。
シンクロナイズドモンスター(2016)
作品情報
カナダ、スペイン 110分
監督:ナチョ・ビガロンド
予告
ストーリー
アン・ハサウェイ演じるグロリアは、ニューヨークでwebライターをしていましたが、リストラされて再就職が見つからず、酒に溺れた日々を過ごしています。
グロリアにはティム(ダン・スティーブンス)という彼氏がいますが、グロリアが次の仕事を見つけずに飲み歩いているため、三行半を下し、部屋を追い出してしまいます。
行き場もなく経済的にも困っているグロリアは、ニューハンプシャー州の実家に戻りますが、家には誰も住んでおらず、家具もない状態。途方に暮れているグロリアでしたが、ジェイソン・サダイキス演じる幼馴染のオスカーと偶然再会します。
親の代から経営するバーを引き継いたオスカーは、グロリアを自分の友人たちと引き合わせバーで深酒ざんまい。やがて、グロリアはオスカーの店で働き始めます。
ある日、グロリアが目覚めてテレビを点けると、韓国のソウルの街に巨大な怪獣が出没、街を破壊して大騒ぎの画面が映っている。
グロリアはネット動画で確かめて仰天。やがて25年前にも一瞬ですが怪獣騒動が起きたこと、怪獣の動きが自分のクセとあまりに似ていることから、グロリアは嫌な予感に包まれる。
やがてグロリアは自分が児童公園の敷地に入ると、ソウルの街に怪獣が現れることに気づきます。動きも同じ。つまりニューハンプシャーの公園にいるグロリアが、怪獣になってソウルの街に現れる、ということです。
怪獣が自分だとオスカーたちに打ち明けるグロリアは、無自覚のうちにソウルに死者を出してしまったことで落ち込み、ハングル語で「もうしません」と詫びの文面を地面に示します。
まさか自分の酩酊中の行動が見ず知らずの人の命を奪っていたとは思いもしなかったグロリアは、それをきっかけに断酒します。
一件落着かと思ったら、今度はオスカーが公園で暴れるように。グロリアが止めてようとしますが、まったく言うことをきかず、騒動を楽しんでいる。我慢の限界に達したグロリアはオスカーを糾弾し、仲間割れを起こすのでした。
なぜソウルにシンクロするのか?
どうして怪獣が現れるのがソウルなのか。土地に特別な繋がりがあるのか。物語で見ている限りはとくに理由は語られません。
25年前、小学生の頃のグロリアは、学校帰りにソウルの模型のようなものを作り持ち帰る途中で、風に飛ばされてしまいます。
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で、それを一緒にいたオスカーが模型を探し出すのですが、グロリアには返さず踏みつけて破壊してしまう。
それでグロリアの怒りが爆発! そのときソウルに一度だけ怪獣が出没したわけです。
実は因縁の闘いだった
最初、オスカーはグロリアに好意的で、その後も明らかにグロリアに執着しています。
グロリアと自分の仲間のジョエル(オースティン・ストウェル)が接近するときも嫉妬心があるのが明らか。
なのですが、後になって、オスカーが怪獣になるのは自己顕示欲と、それとは裏腹に強い自己嫌悪があったことがわかります。
つまり、愛情というよりは、因縁の闘いってところでしょうか。
オスカーを止められるのか?(ネタバレあり)
爆走するオスカーを止めたいグロリアですが、普通に闘っていては負けが見えています。
実際に公園で取っ組み合いになる二人ですが、犠牲者は増えてしまうし、グロリアは傷ついてしまうだけでオスカーをやっつけることはできない。
そのためグロリアはニューヨークに帰ったと見せかけてソウルに行き、オスカーのいる公園とシンクロする場所に立ち、巨大怪獣になって人間のオスカーをやっつける。
街には平和が訪れます。
率直な感想
評価は割れているみたいですが、おもしろかったですね。
地球上のどこかとどこかがシンクロして、しかも違う生きものとして現れるという発想はとてもいい!
アルコールに依存していたグロリアが断酒に至った理由もわかりやすかったですね。
登場人物の男たちがダメダメすぎなところがちょっと残念だったかも。オスカーの屈折ぶりも、彼の友人たちもオスカーの言いなりになっていますし。元カレのティムも別れたのにだらだらしすぎ。
一度別れた相手と関係修復をするなら、それなりの覚悟が必要です。(きっぱり)
それではまた。 のじれいか でした。