キレイなトイレ調査研究所

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【映画と小説】『カラフル』一度死んだ体に別の魂が乗り移って?【比較と考察あり】

自殺して亡くなった少年の肉体にのり移った魂が、魂の修行をするというお話です。

・もし自分が、別の人間になり代わったらどう生きるだろう。
・もし別の人間が、自分になり代わったらどう生きるだろう。

誰もが一度は想像したことのある内容が描かれる、共感度の高さがいい。

原作は森絵都のファンタジー小説。自殺を選んだ孤独な少年になりきる魂が、家族や友人との関わりを通して少年に覆われていた殻を少しずつ破っていく。

今回は映画『カラフル』を中心に、原作との比較、感じたことを書きます。
 

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カラフル(2017)

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※本記事の情報は2021年6月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。 

作品情報

127分
監督:林恵一
キャスト:小林真(冨澤風斗)佐野唱子(宮崎あおい)桑原ひろか(南明奈)プラプラ(まいける)早乙女(入江甚儀) 真の母(麻生久美子)真の父(高橋克実)

ストーリー(人生は楽しんだ者の勝ち)


中学三年生の小林真は自殺して死亡が判定されますが、10分後に息を吹き返します。真の蘇生に両親は喜びの涙にくれ、兄も静かに見守っている。

でも息を吹き返した真は、真ではなく、ある「魂」が小林真としての人生の再挑戦に挑むため真になり代わっていたのでした。


「魂」はかつて凶悪犯罪を犯して輪廻転生から外されましたが、神様がおこなう抽選に当選してチャンスが与えられた。小林真として魂を鍛え直すことができれば、輪廻転生のループに加わることができるらしい。

「魂」は天国と地上行き来するガイドの天使「プラプラ」のサポートを受けながら、小林真としての新たな時間をホームステイのように生きることになるのだが……。

「魂」は最初、真のスペックの低さにがっかりします。背は低い、顔もダメ、成績は悪くて、友達はいなくて、実家は金持ちとはいえない、そしていじめられていた過去も…。真の唯一の売りは絵が描けること。だけど家族はいい人っぽいなと好意的に捉えていたところ、母は趣味のフラメンコ教室の先生と不倫、父は上司が退任されて棚ぼた出世をウキウキ喜び、兄は真を嫌っている。そんな真の周囲環境を「プラプラ」から明かされていきます。


魂が真として生きる挑戦期間は長くて半年程度と期間限定です。真の身をあまり深刻に悩んでも仕方ないと、貯金を叩いておしゃれなスニーカーをゲットして、ムースで髪を整えてみたりと遊び心を取り入れながら、魂は真としての人生を楽しもうとします。やがて真には気軽に人と接するようになり早乙女くんという友達もでき、クラスでも浮いた雰囲気ではなくなっていきます。

 

真の人生は、魂にとって他人事ですが、そのくらい気軽な方が人生は楽しめるかも。ときには軽い気持ちで楽しむことも大切、そんなことを教えてくれます。

 

人の持つ多面性、すなわちカラフル(ネタバレあり)


この話は、人の持つ多様性もテーマだと言えそう。なので登場人物をあらゆる角度から見ています。


真の家族は一見普通なようで癖のある人たちですが、真が思っている以上に真のことを考えていました。真の高校進学の話し合いでも、自殺未遂を図った真がどうしたら負担が少なく生きられるだろうかと試行錯誤をしているのがわかりました。

真の憧れの存在だった桑原ひろかは、援助交際をしていて、罪悪感はまるでない様子なのに、ときに激しい自己嫌悪にかられ、きれいな絵を黒く塗り潰したくなるほどの怒りに似た衝動が湧き上がると打ち明けています。

真に乗り移った魂が、自分が本当は真自身であることになかなか気づかないのは、真が持つ別の視点が、真を他人として見つめようとしているからなのかも。誰もが自分の人生を生きているけれど、覚束なさと隣り合わせなことが、軽いタッチで描かれています。 

 

映画と原作比較・友情のバランス多め


映画と原作を比較すると、映画での真は、早乙女くんとの友情を育む場面が圧倒的に多かったですね。映画で
早乙と真は廃線になった「玉電」の路線跡を散歩するのですが、これは原作にはない場面でした。一緒にスニーカーを買ったり、コンビニで買い食いをしたりとほっこりできる場面なのですが、中学生の友情物語の色が濃くなった印象がありますね。


原作では、真が絶望する原因の一つにもなった母親の不倫について、また父の気持ちについても丁寧に語られます。母は真に長い手紙を書きますが、真はそれを母の言い訳としか捉えられません。父親と真が釣りに出る場面では映画にもありますが、原作では父が母に対する真の知らない思いや、実は父が仕事を解雇されて再就職までのあいだ、母が働いて家庭を支えていたことなど、家族の知らなかった一面を真は知ることになりますし、父と子の重要な場面になっていました。

人は自分の色があり、それぞれ違っていいという、タイトル『カラフル』の持つ意味が語られるくだりは映画ではあっさりでしたね。

キャラクターについては、原作の真はアニメより達観していて、すぐに期間限定の人生を楽しもうとしますし、映画のタッチより楽観的でユーモラスです。比較すると映画は暗かったですね、ここですでに魂は自分が何者であるのかが、わかっているように思えました。

 

読んでから見るのがおすすめ

 

映画を見て好みではないと感じた方には、原作を読むことをおすすめします。映画の方が楽観的ですがより生々しくて大人向きです。映画版は世田谷区の二子玉川周辺が登場します。個人的には生まれ育った地域に近いためつい見入ってしまいまですが、特に馴染みのない方でも特定の地域がモデルになっていることで、リアルさは感じられるのではないでしょうか。

 

 よかったと感じた人の感想

・人生観が変わるほどの衝撃を受けた
・思春期の危うさがよく描かれている
・他愛のない日常の素晴らしさが伝わった
・人の温かさが伝わった

 残念に感じた人の感想

・物足りなさがあった
・オチがわかってしまった
・声や絵が好みではなかった

 

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noji-rei.hatenablog.com

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それではまた。
のじれいか でした。