映画『ビューティー・インサイド』
2015年の韓国映画。
見た目が変わり続ける人間が恋をしたら? その相手との恋は成立するのか?
外見と恋愛といった普遍性をテーマにした作品です。
主演はハン・ヒジョ、パク・ソジュなど、韓国映画にあまり詳しくない人でも見たことがあると感じられる豪華キャスト。上野樹里もさりげなく出演しています。
舞台が家具職人なのでおしゃれなインテリア空間を楽しむことができる良作。
映画『ビューティー・インサイド』についてネタバレありで書きます。
ビューティー・インサイド
作品情報
製作年度 |
2015年 |
上映時間 |
127分 |
監督 |
ペク・ジョイル |
キャスト |
ハン・ヒョジュ ト・ジハン ぺ・ソンウ パク・シネ イ・ボムス パク・ソジュン ソ・ガンジュン ユ・ヨンスク 上野樹里 ムン・スク |
予告
目覚めるたびに別人になる男
18歳の誕生日の朝、目を覚ましたウジンは、自分の姿が見ず知らずの他人になっているのに驚愕します。
その後も目覚めるたびに別人に変身し続けるウジンを、ウジンの母は悲しみながらも温かく守り続ける。しかしウジンは、学校にも通えずつらい日々を送ります。
人に会わずにできる仕事として、オーダーメイドの家具職人になったウジンの家具は、センスやつくりのよさから人気ブランドに。
そんなとき家具のショップを訪れたウジンは、そこで接客する、イス(パク・ソジュ)に恋をします。
毎度違う姿になりながら、客として家具店に通うウジンですが、これならというビジュアルになった日、勇気をだして、イスを誘います。
イスという女性は、相手の見た目によって態度を変える女性ではなくて、そこがウジンがイスに大きく惹かれたところでもあるのですが、イスは初対面の相手から突然誘われたので最初は断り続けます。いくらイケメンで家具に詳しくても、初対面の客から誘われたら断るのは、まあ普通。
でも、ウジンは熱心にイスを誘い、食事をする機会を得ます。家具好き同志で意気投合する二人。
ウジンは眠らずにビジュアルを維持しますが、そんなことが長く続くわけがなく、ウジンは別人になってしまい、イスの前に姿を見せられなくなってしまいます。
眠らずにいたらその人を保てるのはなかなかのアイデア。どうしても諦めきれないウジンは自分の秘密を打ち明けようとします。
パートナーが毎日別人だったら?
目覚めるたびに姿を変えるウジンはイスを諦めきれず、秘密を打ち明けるのですが、最初は信じないイスも、だんだんウジンの話を信じるようになって……というのはお決まりの流れ。
もともと相性がいいのに好奇心が手伝って、二人はあっという間に恋に落ちます。パーティや人前に出るとき、ウジンの姿かたちがどうなるかは神のみぞ知るなので、ちょっとしたスリリングさをコメディタッチで楽しめたりも。
最初は変わった恋愛を楽しんでいたイスでしたが、周囲からいつも違う相手といるのを見られるたり、イス自身も毎回ウジンの姿が変わることに疲れるように。やがてイスは精神が不安定になっていきます。
彼女のことを想像したらやっぱり彼との恋愛は無理だと思いました。見た目にこだわるこだわらないの問題以前の話で、いくらその人を好きでも受け入れ難いでしょうね。
だけどウジンはイスが追い詰められていることを知らず、恋が成立したことで有頂天になってイスにプロポーズ。そこで漸くイスの苦悩を知ったウジンは別れを決意します。
ラブストーリーなので、ヒロインが別の男性と結婚して……なんて展開になるはずがなく薄々想像がつくラストなのですが、ウジンが色々な有名俳優に変わることもあって見ていて飽きません。ウジンは外国人にもなりますが、上野樹里にもなるところがいい。
恋愛や人付き合いに、ビジュアルはどこまで重要なのかを考えさせられるお話です。
中身が変わるよりはマシ?
もしこれが逆だったらと想像してみました。外見ではなく中身が起きる度に違う。私だったらそっちの方が嫌かもしれないです。
中身が変わる話ではありませんが、記憶がリセットされる映画はありました。『50回目のファースト・キス』、こちらは前日の記憶が翌日にはリセットされるストーリー。また違った意味で忍耐が求められます。
こちらの映画は、山田孝之と長澤まさみでリメイクされています。トルコ版もあるみたいですね。
韓国映画のエンタメスペックの高さに脱帽
最近、韓国映画を見るのですが、ハリウッド映画やヨーロッパ映画の感覚をよいところ取りしつつ、オリジナルの感覚に置き換える技がすごいと感心してしまう。
この『ビューティー・インサイド』はパク・ジョンヨル監督のオリジナル作品ですが、映像もおしゃれで洗練されていて、精神面にもしっかり訴えかけてくる。
芸が細かくて徹底したサービス精神のようなものを感じさせてくれるので、なんだか嬉しくなります。
▼韓国映画はこちらにもあります
それではまた。
のじれいか でした。