寡黙で天才的なドライビングテクニックを持つ青年が、強盗組織の運転手をするというお話です。
テンポのよいストーリー展開とカーアクション、音楽が楽しめ、主演のアンセル・エルゴートのシュッとした存在感を堪能できる映画です。
ベイビー・ドライバーのストーリーとよかったところ・残念なところをネタバレありでご紹介します。
よろしけれれば、お付き合いください。
ベイビー・ドライバー
※本記事の情報は2021年5月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。
作品情報
アメリカ 2017年
監督:エドガー・ライト
キャスト:アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、ジェイミー・フォックス、エイサ・ゴンサレス、ジョン・ハム
予告
ストーリー
ベイビーと呼ばれる青年(アンセル・エルゴート)は寡黙な青年。子供の頃の交通事故で両親を亡くし、その事故が原因で耳鳴りがするため、いつもイヤフォンで音楽を聴いている。
そんなベイビーだが、運転のテクニックは天才的。
強盗団たちを無事に逃がす完璧な仕事ぶりに、組織のボス、ドク(ケヴィン・スペイシー)からは信用を置かれている。
ドクの手下の実行犯チームには、バッツ(ジェイミー・フォックス)、バディ(ジョン・ハム)、ダーリン(エイザ・ゴンザレス)らがいる。曲者ばかりだが、連中と一緒のときもベイビーは自分のペースを守り続ける。
借金のためドクの仕事を続けてきたベイビーだが、それもようやく返済し、晴れて組織から開放された。 ベイビーは、耳が聞こえなくて車椅子生活を送る養父のジョセフ(C・J・ジョーンズ)の世話をしている。
養父はベイビーが何をやっているか薄々勘づいていたので、強盗たちと手を切ったことが嬉しく、ピザの配達員を勧めたりも。
またベイビーは、母が働いていたダイナーで、新米ウエイトレスのデボラ(リリー・ジェイムズ)に一目惚れ。デボラもベイビーに興味を抱き、互いに惹かれ合う。
しかし、そんなベイビーの前にまたしてもドクが現れる。ドクはデボラと養父の存在をチラつかせ、仕事を手伝わせようとするのだった。
再びドクの元で、バッツたちと行動を共にすることになったベイビーだが、ドクと取引関係にある組織のボスをバッツが撃ってしまい、雲行きが怪しくなってくる。
ベイビーはこの仕事が終わったら、デボラと高級車で宛てもなく走りたいのですが、さて、その夢は叶うのか。
ストーリー好きなところ・音楽好きに共通できるノリ
ベイビーが音楽を聴いているのは事故の後遺症の耳鳴りがするためですが、音楽好きなのは実母が歌手だったことも影響している。
ベイビーは人の声を録音してはミックスを作ってカセットで持っていたりも。普段はiPodで聴いているのに、なぜかカセットで持っているのは母親を思い出してのことなのかも。
曲がクラシックロックなのも、お母さんが好きだった曲らしく。そのあたりもベイビーの幼いときの回想として登場します。
「興奮する特別な一曲はあるか?」とバディに尋ねられたベイビーは、迷わず『ブライトン・ロック』Brighton Rock(クイーン)を挙げ、イヤホン越しに一緒に曲を聞くのですが、それを目にしたバッツは、音楽を聴くのは仕事が終わってからの方がいいと話す。
バッツ曰く、仕事中に嫌いな曲が流れると仕事をしたがらない奴もいる、FMで『天国への階段』が流れると不吉がったり、イーグルスも不吉で誰か死ぬと言う奴もいると、音楽を験担ぎと捉えている。
その遣り取りは、決して結束が硬いとは言えないチームの会話の中では、唯一好きなものでしたね。
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、コモドアーズ、T・レックス、サイモンとガーファンクル、といった懐かしロックがセンスよく流れるのがいい。
犯行時に車を止めて、強盗たちが車から降りようとするのをベイビーは「ちょっと待って、最初から聴くから」と引き止める。 曲『Neat Neat Neat』(ダムド)がすでに流れていて、頭出しをしていいところで、「よし、行って!」とOKを出す感じ。
強盗なのでどうかと思いますが、気持ちはよーくわかります。
アンセル・エルゴートがいい!
アンセル・エルゴートは1994年生まれの俳優で、写真家の父と舞台演出家の母から生まれています。 映画『キャリー』でデビュー。
恵まれた家庭に生まれてあの容姿で身長193センチの超高身長。
2020年に未成年女性とのトラブルで訴えられました。真偽のほどは不明ですが、今後のキャリアに影響がないとよいなとは思います。
残念だったところ・ラストが微妙(ネタバレあり)
武器取引の相手を撃ってしまったバッツらは、その後、ドクから計画中止を告げられますが、3人はお金が欲しいのでここで中止は嫌だと決行を促します。
ベイビーも従うと言ったものの、本当はもう逃げたかった。
デボラと養父が心配なベイビーは、さっさと逃亡したかったのですが、バッツたちに見つかってしまい、やむなくドライバーとして犯行先の郵便局へと。
でもベイビーが下見に来たとき言葉を交わした郵便局員の女性を守ったことで計画は失敗。仲間割れが起きます。 結局、ベイビーの裏切りが発端になり、バディの恋人のダーリンは警察に撃たれてしまい命を落とし、バッツも事故死する。
恋人がいなくなったのはベイビーのせいだとバディはベイビーを追い、警察からも追われることに。
そこでなぜかベイビーは、ボスのドクに助けを求めます。(なぜ??)容赦ない強盗団の陰のボスなので、むしろ逃げるべき対象ではと思うのですが。
ベイビーは一旦手を引いた強盗の手伝いを再びすることになったのは、ドクにやんわり圧力を掛けられたためのはずなのに、最終的にドクはベイビーを守ってバディの銃弾に倒れる。ちょっと理解に苦しむ展開でした。
人間関係をもう少し描いていると理解できたかも。ついでに言えば、ベイビーの心の傷もわかるのだけれど、もっと強く出してもよかった気がする。
銀行強盗たちの話で、アクションシーンの場面は多いのですが、ファンタジー的な要素もあるので、残酷さはできるだけ排除したのが窺えました。
最終的にベイビーはデボラと一緒に車で逃走するところを警察に逮捕されて、刑務所で過ごすことにななるが、執行猶予もあり短い期間で出所できたベイビーの元にはデボラが待っていたのでした。
2017年の映画『ベイビー・ドライバー』をご紹介しました。
洋画アクション映画はこちらにもあります!
それではまた。
のじれいか でした。