遺言書について考えたことありますか?
まだ若いし、縁起でもない。
私もそう思って、考えないようにしていました。
でも自分の現実逃避が自分が望まないカタチの結果を招くとしたら……その考えに至ったとき、遺言書を書こうと重い腰をあげたのです。
義理の家族(小姑)に取られるかもって考えたらゾッとしたわ
今回、比較的新しい制度を利用して遺言書を作成、保管までの手続きをやってみました。
次の方にはこれから書くことはあまり関係がないかもです。
- 独身で、所有する財産を持たない人
- 弁護士もしくは行政書士に依頼した正式な遺言書を作成した人
それ以外の方で、面倒くさいし、気乗りしないけど、実は内心もやっと気になっている方、さらにいえばーーー
比較的若い夫婦
子供のいない夫婦
には絶対に参考になると思います。
ちなみに私は「子供のいない夫婦」という立場です。
子供のいる家庭とは違い、何もしないでいると夫婦の片方が亡くなった際には、配偶者の親族に相続権がでてきます。
自筆証書遺言書保管制度を利用してみた
遺言書は、自分が亡くなったときにその意思を示すものなので、手書きでも構わないといわれています。一時期流行して手書きのキットが販売されていました。こういうのも勉強になるので手にとってもいいかも。
ただその場合、書き方が違って無効だったり、紛失したらそれでオワリという不安があります。かといって公正書士や弁護士に頼むには、任せる人を探さなくてはいけないし、手続きは簡単ではなく、費用も当然かかります。
もう少し手軽な手順で正式な書式として残せるものはないのだろうか。
探しているときに見つけたのはこれ。
法務省:法務局における自筆証書遺言書保管制度について
2020年7月10日から法務省で開始された制度で、早い話が個人の自筆の遺言状を法務省で預かってくれるという制度です。
しかも亡くなった場合、死亡届が出ると法務省に故人の遺言書が保管されていることが、受遺者および遺言執行者に通知されるという便利なものです。
手数料は一件につき3900円。
パンフレットを読むとだいたいわかります。
http://www.moj.go.jp/content/001322593.pdf
おもな流れは以下です。
- 指定されている雛形に沿って手書きの遺言書を作成
- 申請書の記入
- 本人確認書類・住民票の写しを用意
- 法務省の窓口に電話、来訪日時を予約
- 書類を持参して手続き
1. 指定されている雛形に沿って手書きの遺言書を作成
雛形に沿って手書きの書類を作成します。
・A4サイズ(法務省の書式ダウンロードもあり)
・上下左右の余白の決まり(向こうでスキャニングを取るため)は厳守。
・印鑑は実印でなくてもよいがスタンプ印は避ける。
「財産目録」は「預貯金」などは原紙のコピーで合判を振ります。
別紙1、別紙2……というように。
「不動産」は登記事項証明書の一部分、またはコピー。
特に難しくありません。決まったとおりに書けば大丈夫です。
2. 申請書の記入
先ほどのHPに申請書がありますので、ダウンロードして記入します。これは手書きでもデータ入力しても大丈夫ですが、できたものは紙に出力しましょう。
もしわからないところがあれば、空けておいて当日聞いた方がよいかもです。
3. 本人確認書類・住民票の写しを用意
本人確認は運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど。
住民票は本籍の記載のあるものを用意する。
4. 法務省の窓口に電話、来訪日時を予約
HPからでも予約できます。お住まいによって所定の保管所がありますので、そこを選択してください。
私は電話で予約しました。私の住まいは東京23区なので九段の東京法務局です。電話口で「自筆証書遺言書保管制度」の予約をしたいと伝えると、空いている日時を教えてくれるので、都合のあう日を予約します。
また電話でも、遺言書の内容以外のことであれば、教えてくれますよ。
受付時間 平日8:30〜17:15まで(土日、祝日、年末年始は除く)
5. 書類を持参して手続き
指定の日時、作成した資料を手に窓口を尋ねます。
私が行ったときはコロナ禍だったためか、とても空いていました。
でも手続きをしていると、途中で親子連れがちらほら見えました。
気になっている人はいるんだなと実感します。
窓口で書類の確認が終わって待ち時間に、収入印紙(3900円)を購入。
だいたい一時間程度で終わります。
終了すると保管番号を記載した「保管証」をくれるので、それで手続きは完了です!
無事、自分の遺言書が法務省に保管されました。
そこに保管番号が記載されているので、大切に持っていましょう。
オツカレサマー
メリットとデメリット
やってみました「自筆証書遺言書保管制度」想像したよりは簡単でした。感じたメリットとデメリットをまとめました。
・決められた雛形で書き進めばいいので、慣れていない人にも負担は軽め
・他人に見られる心配がない
・紛失した場合の心配がない
・費用が安い
・安心できる
・申請は一通が原則。遺言者の氏名、住所、連絡先などの修正は受け付けるが、内容に変更が生じたときは撤回して、再度申請が必要
・遺言書の中身に関しては関与しない(したら困るか……)
・行政書士や弁護士の介入で作成した正式なものは預かってはもらえない。ここで預かってくれるのは自筆の遺言書のみ
さいごに
今回、いろいろ不安に感じて、気になる制度が開始されたのでさっそく利用してみました。正直、離婚するかもしれないし、先のことはわかんないです。あくまでこの暮らしが進んでどちらかに不幸があった場合として遺言書を作ってみたということで、もしかするとこの先々、行政書士の遺言書を作成したりするかも。
ウチは家族仲がいいから関係ないもんねーと考えている方もいらっしゃると思いますが、兄弟は他人の始まり、金の切れ目は縁の切れ目と言います。(煽ってるわけじゃないです)
自分にもし何かあったら、こうしてほしい。
もしくは絶対にこうしてほしくない。
時折振り返って、自分の考えを明確にする術は用意しておきたいし、意識していたい。この機会に意識できてよかったと思います。手紙で毎年誕生日になると遺書を書いている人の話を聞いたことがありますが、慣れれば日常になるのかも。
もし同じような立場の方で迷っている方は検討されてみてはいかがでしょうか。
それではまた。
のじれいか でした。