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【映画】『阿修羅のごとく』昭和の三姉妹が父の愛人の存在に?深キョンは?【ネタバレ・感想】

『阿修羅のごとく』は、作家であり脚本家の向田邦子の代表作。

何度もテレビドラマで放送されていますが、こちらは森田芳光監督の2003年の映画です。

真面目な父に愛人が女性がいると知った四人姉妹たちのヒューマンドラマ。


大人になった四人の女たちには自分の人生がある。父の不倫に焦れながら見守るうち、やがて自分たちにも変化が起こる。

昭和を舞台に、姉妹の確執と嫉妬、血の繋がりと愛情を、異なる世代と立場から傍観できる映画です。

映画のストーリーと好きなところを、ネタバレありでご紹介します! 

 
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阿修羅のごとく(2003)

 

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※本記事の情報は2021年6月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。  

作品情報

135分
監督:森田芳光
脚本:筒井ともみ
音楽:大島ミチル

 

キャスト

< 竹澤家の四姉妹>

長女・綱子(大竹しのぶ)45歳の未亡人、生花師範。貞治(坂東三津五郎)と不倫
次女・巻子(黒木瞳)41歳の主婦。夫は会社員の(小林薫)
三女・滝子(深津絵里)29歳の図書館書士、独身だが、やがて興信所勤務の勝又(中村獅童)と結婚
四女・咲子(深田恭子)25歳の喫茶店ウエイトレス、同棲中(やがて結婚)の彼氏・陣内(川口力哉)はボクサー、やがて結婚

<竹澤家の両親>

父・恒太郎(仲代達矢)70歳、現在は火曜と木曜だけの勤務。家族を大切にしている、子持ちの40女、土屋友子(紺野美沙子)と逢瀬を続ける
母・ふじ(八千草薫)67歳、主婦。10代で結婚して家族のためだけに暮らしてきた。恒太郎の不倫を知らされていない

 

ストーリー

昭和54年の冬。
三女の滝子(深津絵里)は姉妹たちに電話で呼びかけ四人が集う。そこで滝子は父の恒太郎(仲代達矢)が浮気をしている話を始めます。

実直な父の浮気話を最初は誰も誰も信じません。でも滝子は興信所で調べており、父の相手は子持ちの40女の土屋友子(紺野美沙子)とわかります。揉めた挙句、母のふじ(八千草薫)には黙っているということで話は落ち着きます。

長女の綱子(大竹しのぶ)次女の春子(黒木瞳)と滝子は、友子に手切れ金を渡そうと接近を試みるが接触できずじまい。姉妹たちは父の浮気を歯がゆく思いながらも黙認しています。父は家族思いで寡黙な男だから、娘たちからすればあの父親がと若干驚きの感情もあったり、一方で微妙にショックだったりもするのでしょう。


娘たちといっても全員いい大人なので事情があります。綱子は夫と死別したお花の先生の師範ですが、貞治(坂東三津五郎)と付き合っている。貞治には妻(桃井かおり)がいて不倫関係です。

巻子は会社員の夫(小林薫)との間に一男一女(長澤まさみ)がいる普通の主婦。一見いちばん普通ですが、実は巻子は夫と秘書の啓子(木村佳乃)との関係を怪しみ、あれこれ探っている。

三女の滝子は生真面目で融通が効かない性格もあり、父の不倫を許しがたい。父の不倫を知って一番動揺しています。愛人である友子の子供が父の子ではと不安でたまらなかったりもします。やがて滝子は父の浮気を調査した興信所の調査員・勝又(中村獅童)と接近して告白される。初めての恋っぽい感じです。

四女の咲子(深田恭子)は無名ボクサーの彼氏、陣内(川口力哉)とボロアパートに暮らしています。苦労時代を支える糟糠の妻ではなくて彼女ってやつですが、陣内は減量に失敗したり、試合で負けてしまったり、荒れた生活に翻弄される。でも咲子は彼が好きでたまらない。

そんなとき、新聞の投書欄に、ひとつ莢(さや)の中に育つ豆のようなものと感じながら成長したが、今やバラバラになった姉妹である自分たちが、父の不倫を知って困っているという匿名希望の投書が載る。

 

咲子からの電話で投書を知った巻子は、綱子の仕業に違いないと疑いますが、綱子には身に覚えがない様子で嘘を吐いている様子はない……。


「阿修羅」とは何なのか

 


阿修羅とは仏教の守護神で八部衆のひとつ。阿修羅像は見たことがあると思いますが。

ここでは冒頭で加藤治子がナレーションとして登場し、阿修羅について語ります。

阿修羅はインド民間信仰上の魔族。外には仁義礼智信を掲げるかに見え、内には猜疑心が強く、日常争いごとを好み、たがいに事実を曲げ、また偽って他人の悪口を言い合う、怒りの生命の象徴ーー。

って…なかなか最悪ですが、そもそも人間(特に女)は、そんなものといえばそんなものじゃないかって気がします。


本作品ではラストで次女・巻子の夫の里見が「女はみんな阿修羅だ」とつぶやく場面があるので、物語的には阿修羅な女たちという意味合いなのでしょうね。(私も阿修羅、あなたも阿修羅)

姉妹のリアルな本音・好きなところ1

 

童話などで華麗に描かれる四人姉妹像とは違い、ここでの姉妹はまさに『阿修羅のごとく』で一皮剥けば本音の嵐です。

一見仲良さげに振る舞っていますし実際仲は悪くはないのですが、実は意地が悪くて嫉妬心も強く澱んだ感情が蠢いている。

滝子は昔から妹の咲子が自分より父に愛されていると咲子に嫉妬していた。また咲子が男性にモテて恋愛を謳歌しているのも真面目な滝子には許せませんでした。


咲子も滝子が成績優秀で自分を見下していると強いライバル心を抱き、滝子には決して本音をに打ち明けようとしない。

次女の巻子は専業主婦の立場もあって長女の綱子が不倫をしているのが面白くない。だから綱子に見合いを強要し、またボクサーと喧嘩をして部屋を出た咲子を一度は自宅にかくまいながら、すぐに疎ましくなり追い出そうとする、なかなか意地悪いキャラクターです。


向田邦子は姉妹という近しい肉親のぶつかり合いで、女の本音を巧みに描くとことがこの話の楽しいところ。


嫌ったり意地悪をしたりと阿修羅を演じながら、それでも捨てきれない家族愛がある、救いどころがちゃんとあるのが魅力です。

 

父の愛と昭和のいい男・好きなところ2

 

父の恒太郎には、友子という愛人の存在が明らかになりますが、恒太郎はあるとき、三女・滝子の夫になる興信所勤務の勝又から、自分が恒太郎を調べたのだと打ち明けられます。

恒太郎は驚きこそすれ、怒るどころか笑ってしまうほどの余裕を見せます。自分の浮気を調べた興信所の調査員と娘の結婚をやさしく見守れるのはすごい。大人の男です。

滝子は派手なことが苦手だからと結婚式を挙げることを迷いましたが、恒太郎は「人のしていることはしておいた方がいい」とアドバイス。昭和の父の貫禄を見せつけます。

そして不仲の咲子とボクサーで派手好きなその夫を自分の結婚式には呼びたくないと打ち明ける滝子に向かって、父は「しこりが残るぞ」「いいの。私は咲ちゃんとは…」言いかけた滝子に「違うぞ。しこりはね、勝又くん(結婚相手)のほうに残るんだよ。」と素晴らしいアドバイスをかまします。

こんなに素敵なお父さんは実在しないのかも。母や母性を美化するのと同じく、身勝手な父親像を描いた妄想でしかないのかもしれない。でもそれでもいい。せめて物語の中だけでも素敵なお父さん、昭和のいい男に浸りたいと思えるほど痺れる父であり男性像でした。

 

昭和の世界観の再現が見事・好きなところ3

 

2003年の映画なのでそれなりに昔の映画なのですが、舞台は昭和54年(1979年)なのでさらに時代は遡る。

ですが昭和感を見事に出しています。本当に当時に撮影した映画のように思えてくる不思議さがあります。

 

父の浮気とその後(ネタバレあり)

 

長女の綱子は貞治とくっついたり別れたりを繰り返します。やがて貞治は妻とは別れると言い出すけれど先行きは不明です。

次女の巻子は夫と秘書の啓子との浮気が事実だとわかってしまう。でも啓子は結婚が決まり夫の元を去ることに。一安心です。

三女の滝子は父の興信所の調査員で、変わっているけどいい人の勝又と結婚。四女の咲子は同棲していたボクサーの陣内と妊娠をきっかけに結婚。陣内はタイトルを取り一躍人気者になりますが倒れて意識不明に。悲しみに暮れる咲子がつい万引きをしたのを脅されていたのを助けたのは滝子と勝又でした。

父は友子から別の男性との結婚を決めたことを告げられて失意の底に。悪いことは重なるもので、同じ頃、ふじが倒れて病院に搬送される。倒れた場所は友子と恒太郎が会っていた公園。姉妹は黙っていたのに、ふじは恒太郎の愛人の存在に気づいていたということです。


結局ふじは帰らぬ人となります。その後、家の引き出しから新聞社の謝礼らしきボールペンを見つけた姉妹は、父の不倫を知った姉妹の一人という新聞の読者投書は、母が書いて送ったことを姉妹たちは確信します。

 ▼こちらはガチな昭和の映画です!

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それではまた。 のじれいか でした。