映画『セブンシスターズ』
一人っ子しか存在できない世の中に生まれた7つ子が、一人の人間になりすまして生きる、近未来を舞台にしたSFスリラー映画です。
発想がめちゃめちゃ面白かったですね。
一人七役の主人公を演じるのはノオミ・ラパス。成長してバラバラな個性が光りだす7人の女性を個性豊かに演じ分けています。
ストーリーをネタバレありでご紹介、感じたことも書きます。
セブンシスターズ
作品情報
イギリス、アメリカ、フランス、ベルギー 2017年・123分
監督:トミー・ウィルコラ
カレン・セットマン(ノオミ・ラパス)
テレンス・セットマン(ウィレム・デフォー)
エイドリアン(ワーマン・ケンザリ)
ニコレット・ケイマン博士(グレン・クローズ)
ジュリー(ポール・スヴェーレ・ハーゲン)
予告
ストーリー・徹底した一人っ子政策の世の中
近未来。人口増加による自然破壊で食糧難が起こり、遺伝子組み換え食品が横行した影響で人類に多胎児が増えるようになった。
政府はニコレット・ケイマン博士(グレン・クローズ)による「児童分配法」という多胎児は一人を残し、残りの子は冷凍保存をする法律を施行する。
そんなとき一卵性双生児の7つ子を出産した母が亡くなり、祖父のテレンス(ウィレム・デフォー)が全員を引き取り、1人の人間として育てようとする。
7人はカレンという少女を共有し、部屋では月曜・火曜・水曜……と曜日で呼び合い過ごしていた。
彼女たちは運命共同体。一人が指先を失えば全員が同じ運命といったように、なかなかに過酷。児童分配法はそれだけ厳しい法律で、違反は極刑を意味しているようです。
30年後。カレン・セットマン(ノオミ・ラパス)は銀行員として働いている。
容姿は酷似しているが、年齢と共に各々の個性は強まり、祖父から定められた均等率を守りつつも不満も感じるようになっていた。
カレンの中には「こんなに不自由な暮らしなら、冷凍保存された方がいいんじゃ」と口にしたり「いやいや、目覚めたときどうなっているかわからない、知らない人しかいないんだよ?」と現状を受け入れようとするカレンもいるわけです。
そんなある日、月曜日のカレンが、外出先でGPSを切り行方不明に。カレン・セットマンが死亡すれば、他の6人も消滅したことになるので焦ります。
月曜のカレンは長子なこともあって、真面目で寡黙、落ち着いたキャラで全員を率いてきた存在。
そんな月曜日のカレンが戻らないので、自分たちのことが政府に知られたのではと、火曜日から日曜日の6人は焦る。
翌日、平静を装って出勤した火曜日のカレンは、やはり政府に捉えられる。ほかの曜日のカレンたちは、外出中の姉妹の行方をGPSで追っていたため「大変だ!」となるわけです。
水曜日以降の物語・ネタバレあり
月曜のカレンは行方不明。
火曜のカレンは政府に連行。
不安を募らせるカレンたちの自宅に暗殺部隊が現れて、日曜日のカレンは命を落とす。狙撃隊が侵入できたのは、火曜日のカレンの眼球を使って自宅のロックを解除したから。火曜日も命を奪われてしまったのだと姉妹たちは嘆きます。
水曜のカレンは、喧嘩っ早い性格。同僚のジュリー(ポール・スヴェーレ・ハーゲン)から「知っている」と脅されるが、それは姉妹のことなのか、何のことかは理解できずにいた。
ジュリーの脅迫内容は、カレンが巨額な金をケイマン博士に送金していることだった。それを聞かされた水曜日のカレンは当事者ではないため、わからず誰がやったのだろうと考える。
ジュリーの目的は出世で、ライバルのカレンを退けようとしたのだが、ジュリーの動きはケイマンに阻止され、水曜日のカレンはジュリーと共に狙撃隊の手に倒れる。
木曜日のカレンは分配局の職員、エイドリアン(ワーマン・ケンザリ)が以前から姉妹の誰かと交際していることを突き止めるため、スパイになってエイドリアンと関係を持つが、その後、すぐに狙撃隊に潜入されて命を落とす。
金曜日のカレンはオタクでデジタルに強く、これまでに隠し撮った動画や画像をケイマン博士を失脚させる道具に使えると命懸けで転送して絶命してしまう。
残されたカレンは、土曜日のカレンと政府に囚われている月曜日。そう思っていたら物語は意外な展開に……。
月曜日のカレンは? 冷凍保存は?・ネタバレあり
土曜日のカレンは、カレンの姉妹の存在を知ったエイドリアンが、自分たちを分配局に売ったと考える。エイドリアンは月曜日のカレンの恋人でしたが、カレンを愛していて、カレンに姉妹がいることは知らなかった。真実を知ったエイドリアンは、土曜日のカレンの味方につく。
ケイマンのいる局の処理室に潜入した土曜日のカレンとエイドリアンは、本当は子供は冷凍保存などされておらず、全員焼却していたことを知ってショック。
また、火曜日のカレンはロックを解除するために目をえぐられましたが、命は無事だった。(ひえー)
ケイマン博士に多額の金を送っていたのは月曜日のカレン。政界への進出をねらうケイマンは銀行から送られるカレンの資金が必要で、カレンは自分だけが生き残ることを条件にあげて取引していた。
月曜日のカレンはエイドリアンを愛するようになり、姉妹が邪魔に。自分一人なら、毎日エイドリアンに逢えると考えたのでした。
月曜のカレンの真実を知って、怒りを募らせた土曜日のカレンは、姉妹で対決。それぞれの心の葛藤が浮き彫りにされる。
月曜日のカレンのお腹の中にはエイドリアンとの子供がいる。パーティ会場でケイマン博士の真実を暴く動画を流したことで会場は騒然。その騒動で月曜日のカレンは絶命するが、胎児は助けられ、ケイマン博士は逮捕、分配法は廃止されるのでした。
好きなところ・世界観がいい!
SF作品の中には、現実化してもまったくおかしくない話がありますが、この話もまさにそう。
一人っ子政策は実際にありましたけど、この時代ではすべてがネットワーク管理されて、何をするにも腕にはめた個人データをスキャンすれば明るみに。IDを持たない人が外出すれば見つかってしまうので、月曜日のカレンが戻らなくても姉妹たちは一斉に動くことができない。
きっと世界はこれからどんどん隠し事や曖昧さのない世の中になるんだろうな。ミステリアスなどという言葉は死語になって、出会った途端に相手のスペックがわかってしまう。やりにくい世の中になってしまいそう、嫌な予感しかないです。
ノオミ・ラパスは演技はもちろんですが見せ方が上手い。同じ人には見えなかったですね。7人とも違いが明白でキャラが濃く、主演と助演を一人で演じているイメージ、大変だっただろうなと想像できます。
▼ちなみにこちらは別角度の7人の自分
月曜と土曜が対峙する場面はよかった。ウィレム・デフォー演じる祖父は多分冷凍保存なんて存在しないと薄々察していて、だから絶対に子供を取られないようにと細心の注意を払った。
でも土曜日は勝手な行動から指を失い、やむおえず連帯責任にせざるを得なくなったときの苦しみが胸に込み上げてきました。
そこまでして連帯を貫いてきたのに、恋はあっけなくバランスを破壊させる。悲しいけれど人間はそういうものかもしれません。
残念だったところ・主人公の存在が曖昧
一人七役を演じている、主人公は間違いなくノオミ・パラスですが、誰目線で観ればいいのか若干戸惑うところも。でも最初からわかってしまえば、ほかの姉妹が亡くなってしまうことが簡単に予想できるので仕方ないのでしょうね。
アクションシーンは多く、多くのカレンは命を落としてしまうのですが、如しろ7人いるので緊張感は今ひとつだったかも。
さいごに
映画『セブン・シスターズ』について書きました。SFスリラーなので難しいSFではないのはいい。ちょっとグロめな場面もあるのですが、女性には共感できる部分が多そうです。
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※本記事の情報は2021年3月時点のものです。
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それではまた。
のじれいか でした。