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【昭和ドラマ】『ニューヨーク恋物語』がすごい‼︎  オススメする理由3つ【どうしたら見れる】

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

1988年、フジテレビで放送された『ニューヨーク恋物語』がすごい。

 

名作ドラマだわ

これは絶対見てほしい

 

オススメする3つの理由とストーリーをご紹介します!

 

ここはもう名場面すぎて……


 

作品情報


脚本:蒲田敏夫
1988年10月〜12月まで 全11話
テーマ曲 井上陽水『リバーサイドホテル』

 

<キャスト>
・田島雅之(田村正和)バーの店主。

・茅野明子(岸本加世子)日本で婚約破棄され、従姉妹の暮らすNYにやってきた


・坂入正弘(真田広之)幼稚園の教師

・小池一徹(柳葉敏郎)ボクサーを目指すフリーター

・張美姫(李恵淑)里美の同僚、国際弁護士を目指す

・相川里美(桜田淳子)明子の従姉妹。証券会社のアナリストのアシスタント

・瀬尾リツ子(夏桂子)田島の元恋人
・瀬尾さやか(五十嵐いづみ)リツ子の娘、大学生

www.youtube.com

ストーリー


舞台は1989年のニューヨーク。

茅野明子は勤勉で真面目な女。
轢かれたレールの上を外さないよう生きてきた。
そんな順風満帆の明子は婚約破棄をされ挫折を味わう。親や周囲の視線から逃れるため異国の地ニューヨークに逃げ、従姉妹の里美の元に身を寄せる。

明子の従姉妹の相川里美はニューヨークの証券会社のアシスタント。「このままアシスタントで終わるのは絶対に嫌」と上昇志向が強く成功を夢見ているが、その気持ちの裏には、実母から愛されなかった過去の孤独が寄り添っていた。

明子の同僚でルームメイトの張美姫。
国際弁護士を目指すが、バリバリ働くより、好きな男性を支えたいタイプの女。バーの店主で危険な男、田島に心惹かれてしまうが、自分を愛してくれる坂入を受け入れるようになっていく。


幼稚園教師の坂入正弘は子供好きの穏やかな青年。
最初は里美に心を寄せていたが、気性の激しい里美とは結ばれず、やがてニューヨークに来たばかりの明子に安らぎを感じるようになる。


小池一徹は明るく楽しい男で、里美や明子にとってよき友人でもある。
小池の気持ちは美姫一筋で、やがて気持ちが通じ二人は一緒に暮らすように。だが小池は目指していたボクサーでは成功できず、役者を目指すが役が決まらずと、社会的に苦悩する。美姫のため頑張りたいと思う反面、それが自分のやりたいことなのかわからなくなってしまう。


バーの店主の田島雅之は元は大手企業のエリートサラリーマン。
だが、上司の妻である瀬尾リツ子と不倫関係になったことがきっかけで会社を辞めて裏家業に転じていた。田島はリツ子との関係を忘れきれず再起を図っていたところ、美姫と恋愛関係に。だが田島の心にはリツ子しか住んでいない。再起に失敗してリツ子との関係が完全に終わったと感じた田島は、無気力になりアルコールに逃げてしまう。

 

すごいところ

 

その1:豪華なキャスト

 

このドラマは、主演の岸本加世子と田村正和のラブストーリーでありながら、周囲の人間関係が絡み合う、群像劇でもあります。

出演キャストがすごいんですよね。

田村正和のように逝去された俳優、また飛躍を遂げた俳優もおり、その後の人生を振り返りながら見ることができます。


◆田村正和
田村正和といえば昭和を代表する名優。2021年に他界されましたが、独自の存在感を持つ人。俳優であり続けるため、人前で食事をしないなど美学を貫いたことでも有名です。

代表作はやはり『古畑任三郎』シリーズ。



◆岸本加世子
相手役の明子を演じた岸本加世子は1977年のドラマ『ムー』でデビューした女優。昭和の歌姫、美空ひばりとの交流も有名ですね。


◆桜田淳子
この作品で輝いているのが桜田淳子。1970年代にアイドルデビュー、この頃は大人の女優として脱皮した様子を窺うことができます。1992年の統一教会の合同結婚式で結婚し、現在は芸能活動は休止状態が続いています。


◆真田広之
『ラスト・サムライ』の大ヒットを経てハリウッド俳優として名声を得たのが真田広之。子役からジャパンアクションクラブ(JAC)を経て独立しました。現在は米国でデューク真田とも呼ばれているみたいです。


◆柳葉敏郎
20代の人にも顔を知られている俳優です。ダンスパフォーマンス集団「一世風靡セピア」で活躍したのち、トレンディドラマでおなじみの俳優になります。この『ニューヨーク恋物語』でも、本人のキャラクターそのものの、ひょうきんな役柄を好演しています。


個人的には『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の真田さんがツボりました。

◆李恵淑
韓国出身の女優で、1990年代から2000年にかけて、日本で見かけることの多い女優でした。結婚して芸能活動を休んでいましたが、最近では本国で映画やドラマに出演しているようです。


出演している役者が全員、とても集中して演技に臨んでいるのが伝わってきました。
撮影当時、キャストがアパートで一緒に暮らしていたと聞いた記憶がありますが、楽しい時間を過ごしたんだろうなと、当時のことを思い浮かべながら楽しめました。

その2:成熟した大人のストーリー


◆明子の女心に感動

品行方正な「よい子」の明子は、婚約破棄を経験し、従姉妹の里美が暮らすニューヨークを訪れます。やがて明子は、田島という謎の男に強烈に惹かれるように。だけど田島は美姫を弄び、さらに別に好きな女がいることを知る。

明子は最初は田島を諦め、告白してくれた坂入と帰国するつもりでしたが、自分の気持ちに嘘は吐けないと坂入とは別れて、一人で帰国します。

時が流れ、明子は仕事で再びニューヨークを訪れる。

そこで、明子は田島が廃人のようになっていることを知り、放っておけなくなり、仕事を棄てて献身的に田島に尽くします。

だけど明子はわかっている。

田島が自分のことを見てくれていないこと。女として魅力を感じてもいないし、求められていないことを。

だからその後、アルコール依存症から脱却し、平静を取り戻した田島から、いくら感謝を述べられても、愛ではないことを明子は悟っているのです。

明子のファッションにもそれが出ています。ニューヨークを再訪した明子は、彼の前でパールのネックレスと赤いルージュを付けています。たとえ愛されなくても好きな人の前では最高に美しい自分を見せたいという心を窺い知ることができる場面でした。

 

ちなみにどこのネックレスなんだろーとオープニングで確認しましたが、それらしいあパレルやブランド名はありませんでした。

 


◆里美とニューヨークの友人たち

最初はニューヨークを楽しめない明子でしたが、里美と同じく日本で暮らす仲間たちと集ううち心を開くようになっていきます。

やがて明子は仲間の一人の坂入と恋仲になり一緒に帰国することになります。でも明子は自分は、美姫が胸を焦がす相手、田島に強烈に惹かれていることを自覚して、坂入と別れて単身帰国します。

その後、明子は仕事のためニューヨークを再訪する。

里美は出世して夢を叶えていた。でも多幸感を得られたわけではなく、失ったものもあることを実感している。

美姫は田島と別れて小池と暮らしている。小池はボクサーを辞めて役者を目指していたが役がつかず、美姫が日本人バーで働いて生計を得ることに。やがてお客から日本行きを誘われ、小池との別れを予感するように。

小池は美姫を愛しているが、美姫は自分が頑張らないと愛されないことを感じて精神的に追い詰められてしまい、美姫の日本行きを勧めてしまう。

坂入は明子と別れたのち、子持ちのアメリカ人と暮らしていた。坂入の本心は里美にあり、一度は里美と結ばれるが、里美はやはり坂入のため仕事を棄てることはできない。坂入もまた慕われている子供から離れることができなかった。

その3:痺れる台詞


トレンディドラマの軽めな話を想像しがちですが、この話は結構重めです。

バブル時代にニューヨークで根を張って生きようとする男女の生き様が行き来と描かれています。

当時話題になったのは、別れを決めた明子が、田島にテラスで髪を洗ってもらう場面でした。

そこも確かに素敵なのですが、個人的に沁みたのはやはり別れの空港の場面。

明子は田島に言います。

私はこれまで何一つ自分で決めてこなかった。だから何か悪いことが起きたらそれは自分のせいじゃないの。だけど私は初めて自分で決めて行動することができた。ニューヨークに来てよかった、と。

岸本加世子演じる明子の役柄は三十歳を迎えようとしているところ。自分の人生に責任が取れるか、他責のまま生きていくかを決めるギリギリの年齢だった。

このまま結婚していたら、田島と出会うこともなかったし、里美と心を通わせることもなければ、美姫や坂入、小池と知り合うこともなかった。

そのすべてを表現した言葉だと思いました。

どうしたら見れるの?

 

残念なことに『ニューヨーク恋物語』はDVD化されていません。 唯一、FODチェンネルに登録すれば見れます。アマプラ会員の方は、AmazonのFODチャンネルから申し込むこともできますよ。

Prime Video

【映画】『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』このオチどう思う?(現実の事件も)

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』は、判決の確定した冤罪事件の真実を弁護士が明らかにするドラマ。

主人公の松潤演じる、変わり者の敏腕弁護士が事件を解決していきます。


2016年、2018年と放送されてきた人気シリーズのドラマの映画版です。

いやこれ、無理無理無理っす

評価は高いけど、オチに愕然……

 

ストーリーをネタバレありでご紹介します!


 

 

 

 

作品情報


監督:木村ひさし
2021年12月上映 120分 

<キャスト>
深山大飛(松本潤)
佐田篤弘(香川照之)
河野穂乃果(杉咲花)
南雲恭平(西島秀俊)


<人物相関図> 

映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』公式サイトより

 

ストーリー

「斑目弁護士事務所」の弁護士、深山大飛は、事務所の若手弁護士の河野穂乃果と「不里崖殺人事件」の真犯人を暴いた。

そんな深山たちの所に「毒物ワイン殺人事件」の依頼が入る。

事件は15年前、ある村のワイナリーで開かれた収穫祭で、ワインに不毒物が混入され死者を出したというものだ。

当時、逮捕されたのは、ワイン作りのため村に移住した山本貴信で、山本は無実を主張していたが、獄中死していた。 

 

ところ変わって。

深山たちにとって謎めいた存在の弁護士、南雲恭平の娘、南雲エリがピアノコンクールで優勝した。エリは一躍注目を浴び、南雲はエリの成功を喜ぶ。

だが、そんな南雲にタブロイドの記者が接近。エリは南雲の実の娘ではなく「毒物ワイン殺人」の犯人、山本貴信の実の娘であることが暴かれたのだ。

深山をはじめとする斑目弁護士事務所のメンバーは、事件当日の収穫祭の参加者に事件の話を聞くためワイナリーを訪れる。

 

好きなところ

 

テレビドラマの雰囲気はそのまま

 

ドラマ同様、映画もテンポよく軽快で、話がどんどん進みます。ちょい早すぎるのでは?と感じるほどです。

映画はドラマの倍の尺があわけですが、ダレずに楽しめます。

またドラマ版で登場していた準レギュラーのメンバーが登場するのも楽しみのひとつ。ドラマのファンには嬉しい展開です。

もしもドラマを見ていない(忘れた)場合でも、事件とはあまり関係がないので大丈夫です。

 

コメディのようでテーマは重い


これはこのドラマそのものの面白さですが、松潤演じる深山はおとぼけキャラですが、冤罪担当の弁護士というギャップがやはりよいです。加えて深山自身、自分の父親が冤罪事件で逮捕され、無実を証明できずに前に亡くなっているところも。何も悩みもないようで、実は重い過去を背負っている設定も好きです。

そして今回の映画では、ドラマでは謎の多かった西島秀俊の演じる弁護士、南雲恭平の素性がクローズアップされます。

南雲にはエリという娘がおり、二人は寄り添い暮らしていましたが、エリのピアノの才能が認められたことが、皮肉にも二人の秘密が暴露するきっかけになってしまったのです。

もちろん南雲はそのことを知っており、エリに隠していました。


どうして南雲はエリを引き取ったのか、そして真実を打ち明けなかったのか、理由は三つあります。一つ目は南雲は山本の担当弁護士で、二つ目は、南雲は山本の無罪を信じながら救うことができなかった無念さがあったからです。


そし三つ目は、南雲は山本から「エリを死刑囚の娘にさせたくない」と聞いてきたからです。

ちなみに、エリの本当の父親であり、ワイナリーの収穫祭でワインの毒物を混入したとして逮捕された山本貴信を演じているのは、渋川清彦 『ザ・タクシー飯店』『柴公園』)です。

 

 


最初のうち南雲は、責任感で幼いエリを育てていましたが、段々と情が湧き、愛情を持つようになっていました。

けれどエリを愛するようになればばなるほど、南雲の心中は、弁護士として井上を救えなかった葛藤が大きくなる。

そこで冤罪事件を専門にする深山弁護士が、15年前の事件を再度調べていくことになるわけです。


残念に感じたところ

 

何これ?なラスト(ネタバレあり)

 

ワイナリーを訪れた深山たちは、関係者を集め15年前の収穫祭の再現をしたいと言い出します。事件当日はビデオを撮っていたので、そのとおりに再現したいというのです。

でもそんな深山に、村人たちは不快感を示します。「あのときのことは忘れたい」と協力を嫌がるのでした。

 

そんな中、村人で唯一協力的な人物が現れます。父親のワイナリーを手伝う重盛守(道枝駿佑)という青年です。守は事件当時子供でしたが、あの事件には何か隠されていると感じていたからです

やがて守の熱心な呼びかけで、住民たちは仕方なく当時の再現に協力します。

そして、15年前に撮影されたビデオと、深山によって撮影されたビデオを見比べて検証を重ねるうち、あらゆることが明らかになります。

 

中でもポイントになっていたのは毒物になった薬物の入手先。これは微量であればワインに入れているものですが、入れ過ぎると人が死ぬようなものです。

 

これまで薬物は、山本家のガレージから持ち出されていたと想定されていましたが、検証の結果そうではないことがわかり、事件は一気に解決に向かいます。

 

ここで結論を言ってしまうと、事件は意図的な殺人ではありませんでした。

でもそれをひた隠すのは、村人たちが誰かを庇っているから。

それは犯人が、自分たちより弱く、守らなければならない相手なことを指します。

たとえば南雲がエリを守ったように、村人はある者を守ります。

 

つまり事件の犯人は井上ではなく、やはり別に真犯人がいました。

 

そしてその犯人は衝撃的な人物でした。

ですが、物語の中では衝撃度合いは薄めで、呆気なく終わってしまう。

えっ?そ、それでよかったの?と疑問が残る後味の悪い結末です。

 

閉鎖空間における集団の恐ろしさ(ネタバレあり)

 

どうして井上が犯人に仕立て上げられたのか。それは山本が移住したばかりの新参者でワインの賞を受賞して村人から嫉妬されていたから。


それで山本は村人たちから、事件の犯人にでっち上げられてしまいました。

もし弱い者を庇うのなら、親や身内が身代わりになるならまだ納得できますが、赤の他人になすりつけるのだからタチが悪い。

人間の醜さや理不尽さを表現したかったのかもしれませんが、人気俳優のフィクションドラマなので、気持ちよい終わり方を期待していただけに意外でした。

この話がずっとひっかかっていたのですが、この物語は「和歌山カレー事件」「名張毒ぶどう事件」をヒントにしたものというブログ記事を読んで納得しました。



 




まとめと所感

 

ドラマ『99.9』を見ていた人は楽しめる構成です。テンポもよく洒落もきいています。熊本県での「太陽にほえろ」の登場人物集結の場面のように、わかる人にしかわからない小ネタも楽しい。

それに榮倉奈々、岸部一徳、笑福亭鶴瓶といった豪華キャストが顔を出します。

ただメインの事件は、真相を含めて後味の悪さが気になりました。

本作品では、岸部一徳演じる斑目春彦に代わり、香川照之演じる佐田篤弘(香川照之)が「斑目弁護士事務所」の所長に。

ですが香川照之は、出演自粛状態が続いていますし、本作品の続編が作られることになったとしても出演するのは難しそうです。

主演の松本潤も大河で出ずっぱりですし、当面はなさそうですけど。
ラストに「またいつか」の文字がさりげなく出ていましたが、本作品が集大成なのかもしれないです。


最後に。
内容とは関係ないのですが、松本潤のメイクがやたらと濃いのが気になった。

それではまた!

【映画】『エルヴィス』凡人にもわかるスターの苦しみ【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『エルヴィス』は、1950年代のアメリカで、それまで黒人のジャンルとされていたロックアンドロールを世界に広めたエルヴィス・プレスリーと、彼のマネージャーのトム・パーカーの物語。

このトム・パーカー(通称:大佐)という人物は悪徳マネージャーで有名ですが、この物語は、そのトム・パーカーがエルヴィスとの記憶を辿るようにして物語が進みます。

 

この大佐ってマネージャー、あこぎ過ぎるんだが

ストーリーとしては成功しているけどね〜



先日他界したエルヴィスの一人娘、リサマリー・プレスリーのその後の人生を考えると感慨深い気持ちになります。

自由の国アメリカであっても差別や偏見に満ちていた時代。エルヴィス・プレスリーは輝く才能を持ちながら、当時のショービジネスの犠牲になるかたちで自由を失い、心と体を蝕まれていきました。

この映画大変おすすめです。エルヴィス・プレスリーというスターが何を成し遂げたのかが明確に描かれ、思わずハッとさせられます。


ストーリーをネタバレありでご紹介します!

 

 

 

【映画】『エルヴィス』

 

作品情報


監督:バズ・ラーマン
2022年 159分 

<キャスト>
・エルヴィス・プレスリー(オースチン・バトラー)
・大佐(トム・ハンクス)
・プリシラ・プレスリー(オリヴィア・デヨング)
・グラディス・プレスリー(ヘレン・トムソン)
・ヴァーノン・プレスリー(リチャード・ロクスバーグ)
・B.B. キング(ケルヴィン・ハリソン・Jr)
・ハンク・スノウ(デビッド・ウェルナム)


監督のバズ・ラーマンという人は脚本家、俳優でもある人。

映画監督作品としては、『ムーランルージュ』やレオナルドディカプリオ主演の『ロミオとジュリエット』『華麗なるギャッツビー』が挙げられます。

華があって夢ある映像でありながら、主人公の悲しみと葛藤を感じさせる映像は、この監督ならではです。


ストーリー


1997年、脳卒中で入院しているトム・パーカー大佐は、若き日のエルヴィス・プレスリーとの出会いを回想していた。

1977年にエルヴィスが42歳という若さで亡くなり、エルヴィスに関するあらゆる書籍が発行された。そしてほとんどの本にトム・パーカーの悪徳マネージャーぶりが書かれていたが、トムは強く否定する。

本に書かれたことは全て嘘。
自分たちはパートナーだった
と。

オランダ人のトムは単独アメリカに渡り、興行ビジネスをはじめた。その後1955年、トムは一枚のレコードを手にする。若い連中が聴いている曲を歌う歌手の名は、エルヴィス・プレスリーその人だった。

当時、黒人音楽のジャンルの曲を白人が歌うことはまずなかった。トムはエルヴィスという歌手に強い関心を抱くようになっていく。


好きなところ

 

エルビスのブレない生き様
 
ギャラの半分を受け取るマネージャー


エルヴィスは、音楽に対するピュアな思い、妻プリシラと娘リサマリーへの愛とは別に、エンターテインメントの世界でトップであるために過酷な日々を送ることが強いられます。

激しいライブの後、心と体を落ち着かさせ再び激しいライブをこなすためには、強い睡眠薬などが必要でした。

それにその頃エルヴィスは、アメリカだけでライブをすることに疑問を持ち始めていた。世界を回ってあらゆる国でライブをしたいと考えていたのです。(日本にも)

でもそれが叶わなかったのはトム・パーカーが自分の借金をチャラにするためラスベガスのホテルと5年の契約を交わしていたから。加えてトムは違法入国の疑いがあってアメリカを出ることができなかったという事情もありました。

あと本当に驚いてしまうのが、マネージャーのトム・パーカーはエルヴィスのギャラの半分を受け取っていたこと。ギャンブル好きなパーカーは莫大なお金を失い、再びエルヴィスを利用しようと思いつきます。この頃、エルヴィスはトムと契約を切っていたのに、口八丁手八丁でラスベガスの仕事をやる気にさせてしまう。詐欺師的な手腕はあったわけです。

それでエルヴィスはどんなに体調が悪いときでもライブを結構せざるを得なくなり、健康状態が悪化を辿ることになってしまう。

エルヴィスに限らず、ロックスターとマネージャーの関係は金銭トラブルなど色々あることは有名です。実在するスターを描いた映画にもマネージャーとの関係はよく出てきますね。


『ロケットマン』
エルトン・ジョンとジョン・リード。

 

『ボヘミアン・ラプソディ』
ジョン・リードはクイーンのマネージャーでもあった人物。

やはりグループの方が交渉するには有利かのかも。そのかわりメンバー間の問題が出てくるのでどちらも大変そうですけど。


マイケル・ジャクソンも興行的に失敗の許されないライブを企画していましたが、残念なことに開演されることはなかった。

 

次第に寄せていくオースチン・バトラー


エルヴィスを演じた俳優はオースティン・バトラー。

最初はあまり似てないかもと思いましたが、この方、エルヴィスの円熟期になるほどに寄せていきます。実年齢は30歳になったばかりで、若いときのエルヴィスの方が得意そうに思えますが、だんだんとサマになっていくところも物語に引き込まれる理由なのかもしれないです。

テレビ曲で歌う『IF I Can Dream』は圧巻。

アメリカが暗く元気がなかった時代、聴く人とそして自分自身を励ます歌詞に思わず涙が……。

 

残念なところ

 

トム・パーカーは悪徳です(きっぱり)


この映画は、冒頭で孤独に病床につくトムが、今は亡きエルヴィスを思い出し、俺たちはパートナーだったと振り返る話なのですが、振り返れば振り返るほどに悪徳ぶりが露呈されます。

本当にトムが亡くなる寸前にエルヴィスとの出会いと別れを振り返っていたとしたら、一体何を思ったのでしょう。

あと物語の最後にトム・パーカーは、エルヴィスはファンの愛によってころされたと言っていますが、そんなことは絶対にないとつけ加えておきたいです。


それではまた。のじれいか でした。

【映画】『ライアー×ライアー』義姉弟の本気の恋心【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『ライアー×ライアー』は、地味な姉とモテモテ遊び人な弟との、ハートフルラブコメディ。

 

親同士の再婚で、兄弟になった姉と弟の物語

ちょっとした嘘で引っ込みがつかなくなって……



これ面白かったですよ。リラックスしたいときに見るとよいかも。

ストーリーをネタバレありでご紹介します!

 

 

 

【映画】『ライアー×ライアー』

 

作品情報


監督:関和亮
2021年 117分 

<キャスト>
・高槻透(北村北斗)
・高槻湊・みな(森七菜)
・烏丸真士(小関裕太)
・野口真樹(堀田真由)
・桂孝昭(七五三掛龍也)
・七瀬小夜(室井滋)
・高槻紀行(竹井亮介)
・高槻いとみ(相田翔子)


ストーリー


彼氏いない暦イコール年齢の高槻湊は、子どもの頃に親が再婚して、同級生の透と義姉弟になった。そして大学生になった現在も同居している。


弟の透は、無愛想だけど女子からはやたらとモテる遊び人。湊は弟のとばっちりを食うことばかりで災難が絶えない。子供の頃は仲良しだったが二人だが、成長するに従い、険悪な関係になっていた。

あるとき、湊は友人の野口真樹に頼まれギャルメイクをしたところ、偶然居合わせた透と遭遇。ギャルメイクの自分を姉と気づかない透に、いたずら心と日頃の鬱憤から、名前を「野口みな」と偽り、付き合うことになる……。


好きなところ

 

キャラクターの設定がいい(ネタバレあり)
 
ライバルが登場するいつもの流れ(ネタバレあり)


ラブコメに欠かせないのはライバルですが、ここではモテモテ透ではなく、これまでモテなかった湊を思う相手が登場します。

湊に恋するのは、歴史関係の懇親会で一緒になった烏丸真士。烏丸くんは湊が小学生のとき同じ塾に通っていた昔の知り合いです。湊もかつて烏丸くんに憧れていたので、再会は嬉しいのですが、そのときすでに湊は、野口みなと名乗り透と付き合っていたので、状況は複雑です。

 

承認欲求の高まりと、透の本心はどこに⁉


湊は「ギャルのみな」として透と付き合っているとき、烏丸くんから告白されます。悩んだ挙句、やはり透と会い続けても未来はないと、遠方の国に親が越すことを理由に透に別れを告げます。そして烏丸くんと付き合うのですが、湊は透への気持ちを自覚するようになっていました。

だから湊は烏丸くんにも別れを告げて、日本に戻ったという理由で再び透の前に現れます。いっときは幸せだった二人。けれど透と真樹はやはり偽りの関係でしかない。湊も透が自分ではなくギャルの真樹を好きなことに苦しむようになります。

そして透もある日突然、みなに別れを告げる。実は透にはすごく好きな人がいて、その人がみなによく似ているから、みなを好きになった。つまりみなを利用してしまったと打ち明けます。

つまり、もしや透は以前から湊のことを? と想像できますが、透は好きな人のことをすでに亡くなったと話しているので、湊は自分を思っているとは気づかないのが歯痒い。

悪人になる烏丸くんが切ない(ネタバレあり)

 

烏丸くんは爽やか男子で、数年ぶりの再会で、湊に恋をしてしまいます。でも湊は微妙な状況にいるらしく、自分に気持ちが向かないことも気付いている。

だから東京から愛知県の犬山城へと連れ出して泊まりの関係を迫りますが、それも自分が悪者になることで、湊の本心を探りだそうとしたこと。

残念ですが一度に二人の人間を愛することは不可能なんですよねー。

 

残念なところ

 

同一人物はさすがに気づくと思う(ネタバレあり)

ギャルのみなと、歴女の湊は、正反対のキャラですが、何年も一緒に暮らしてきたのだし、さすがに気づくんじゃあと軽くツッコミを入れたくなりました。

話の核はそこではないのはわかりますが、さすがにわかるだろうって感じデス。



それではまた。のじれいか でした。

【映画・ドラマ】下北沢が登場する作品【5選】

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

世田谷区の住宅街にある不思議な繁華街、下北沢。
音楽、演劇、古着ファッションの街と呼ばれる独特な匂いがする街。
サブカル大好き人間が集うことでも有名です。

雑多な雰囲気が下北沢の魅力でしたが、時の流れに加え、近年の都市開発で、大きく姿を変えたのも有名な話。でもかつての街並は、その時代ごとに作られた物語の中で、今も生きています。

ここでは、下北沢が舞台の映画・ドラマをご紹介します。

街を訪れた気持ちで楽しめると思いますよ!

 

 

 

 

【映画・ドラマ】下北沢が登場する物語【作品】

 

街の上で

 

 

監督:今泉力哉
2021年 130分 

<キャスト>
若葉竜也
穂志もえか
古川琴音
萩原みのり
中田青渚
成田凌



下北沢の古着屋で働く男と、周囲の人々の日常が描かれます。
若葉竜也演じる主人公は、変わらぬ日々を過ごしているように見える。でも実は恋人から別れを告げられたり、自主映画への出演を依頼されたりと、それなりに多忙。

彼の変化は他人からみれば些細なことかもしれない。けれど本人にとっては大きな事件です。二つの悩みを抱えながら馴染みの店で酒を飲みつつ悶々と過ごします。

オシャレなカフェや居心地のよさそうなバーが登場、令和な下北沢を味わえる映画です。


下北沢ダイハード

 

 


2017年 40分×全11話
テレビ東京系列『ドラマ24』にて放送

<キャスト>
古田新
小池栄子
神保悟志
吉沢亮
光石研
麻生久美子
緒川たまき
夏菜
 ほか

テレ東の深夜枠で放送されたドラマです。
小池栄子演じるバーのママと、古田新演じる常連客が、下北沢で起きた噂話を面白おかしく語ります。一話完結で、あらゆる人物によって下北沢が描かれるのが楽しい。

 

下北沢は若者の街と言われますが、近所の住民、舞台役者など、このドラマでは多様性が描かれます。どの話もユニークで、シモキタなら実際に起こってもおかしくないかも? と感じさせてくれるストーリーばかり。街の特徴がよく捉えられていました。


ざわざわ下北沢

 

 


監督:市川準
2000年 105分

<キャスト>
原田芳雄
北川智子
小澤征悦
岸部一徳
柄本明
渡辺謙
松重豊
フジコ・ヘミング
 ほか

 

90年代後半から2000年初頭の下北沢が舞台。下北沢に縁深い役者が大勢登場します。昔下北沢に住んでいた、or  よく通った人であれば、懐かしい気持ちに浸れること請け合いです。

原田芳雄演じる舞台俳優の気怠さ、すぐに仕事をやめてしまう小澤征悦と、同級生の北川智子演じるヒロインとは恋人同士。だけど小澤演じる彼は、鈴木京香が演じるスナックのママらしき謎の美女とも関係があるようで…。そんなふうに、下北沢の住民らの小さな出来事が積み重ねられていきます。

まるで記録映画のような仕上がり。昭和の匂いを強く残した下北沢の自然な息遣いが聞こえてくるようでした。もっと時間が経ったらすごく貴重な映画になっているかもしれません。

劇場

 

 


監督:行定勲
2017年 136分

<キャスト>

山﨑賢人
松岡茉優
寛一郎
伊藤沙莉


又吉直樹原作の『劇場』の映画化です。作品が世に出ることを夢見て劇団を運営する大学生の男。そんな男に寄り添う大学生との彼女の恋の物語です。

下北沢という街は若者に人気の街ですがキレッキレではなく、どこかぼんやりしてエッジが立っているとは言い難い。それでいてあらゆるカルチャーが集結するため、欲望が渦巻く場所でもあります。

穏やかでのんびりした場所と反比例した、成功を夢見る者たち特有の不安と焦りが本作では描かれます。

 

ピース オブ ケイク

 

 

監督:行定勲
2015年 121分

<キャスト>


多部未華子
綾野剛
松坂桃李
木村文乃
中村倫也
 ほか



多部未華子演じる20代のヒロインは、流されやすい性格。モラハラ彼氏から別れを告げられ、仕切り直してやり直すことに。引越しをして近所のビデオ屋でアルバイトを始めます。するとバイト先の店長がアパートの隣人とわかり……。

ラブストーリーでありながら、女性の自立も大切な要素になっている作品です。自分の仕事を持つことで、だんだんと逞しく成長するヒロインの姿に考えさせられるところがあります。

服飾を学んでいたヒロインは劇団の衣装担当になるのですが、仕事場の風景として下北沢の街並みが登場。お仕事が舞台の衣装係という設定は、下北沢っぽくて◎でした。


 

それではまた。のじれいか でした。

【映画】『未来の想い出 Last Chirtmas』平和な日本を行ったり来たり【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『未来の想い出 ーラストクリスマスー』は、未来の記憶を持ったまま、過去に戻る二人の女の物語。

 

藤子不二雄による原作のタイムリープもの

バブル時代の匂いがしたわ、平和な日本て感じよ



ストーリーをネタバレありでご紹介します!

 

 

 

【映画】『未来の想い出 ーラストクリスマスー』

 

作品情報


監督:森田芳光

1992年 118分 

<キャスト>
・納戸遊子(清水美砂)
・金江銀子(工藤静香)
・倉美タキオ(デビッド伊東)
・杉田行男(宮川一朗太)
・夏木寿也(和泉元彌)

 

ストーリー


1981年、漫画家を目指す納戸遊子は、描き上げた漫画を持ち込む当日、地震が起きて電車が遅延。タイミングを逃してチャンスを失った。

同じ頃、金江銀子は、好きな男性を別の女性に取られてしまい、口説かれた別の男性と結婚。でも相性は最悪で幸せにはなれなかった。

1991年12月25日。
遊子は、銀座和光の前で占い師をしている銀子から声をかけられる。

意気投合した二人は、連絡先を教え合い再会を誓うも、遊子は接待ゴルフの途中で突然死してしまう。

でも遊子は1981年から1991年までの期間をやり直せる力があり、1981年の漫画を出しにいくところにタイムリープで復活。


今度こそはと、ライバルより先に漫画を持ち込むが、やはりライバルに勝つことはできなかった。

自棄になった遊子は、次は既にヒットした他人の作品を自分で描いて持ち込と、今度は大ヒットになり、一躍時の人になる。

すると遊子の自宅に、全部知っていると脅迫状が届き、大金を要求される。遊子が、アタッシュケースに入れた現金を手に指定された場所に向かうと、そこにいたのは銀子。

銀子も一度亡くなったが、タイムリープでやり直し、今は意中の人と結ばれていた。

二人は遊子の金を株と競馬で増やして、過去を知っていることを生かして成功を手に入れる。

だが、遊子は、自分が描いた作品を本来描くはずだった作家を前に、罪悪感を抱くように。

そんな遊子と正反対の性格の銀子は、自分たちの運命を受け入れて強く生きようと励ます。

銀子から元気をもらい、一緒に競馬場を訪れた遊子は、自分たちと同じく未来を知っていると語る夏木寿也という男と出会う。


好きなところ

 

当時の人気者が登場(ネタバレあり)


主演は清水美砂と工藤静香。

最近はあまり見かけなくなった清水美砂ですが、この映画では本当にかわいい。

清水美砂演じる納戸遊子は、売れない漫画家。
やっとの思いで描き上げた漫画はよい出来でしたが、先に持ち込んだ鈴木京香演じる漫画家に先を越されチャンスを逃します。

工藤静香デビッド伊東演じるアパレルデザイナーが好き。だけど彼を狙う別の女性、太田光代(現:爆笑問題の太田光の妻)に先を越されてしまいます。口説かれた宮川一朗太演じる証券会社勤務の男性と結婚するけれど、裕福でも相性は最悪。幸せにはなれず、銀座の4丁目交差点で占い師をやってます。

主演もですが、脇役も豪華です。
この映画が公開されたのは1992年、俳優はみなさん年齢を重ねたわけですが、鈴木京香はあまり変わっていない。いい感じに年齢を重ねてきたんだなという印象です。

デビッド伊東は、工藤静香の演じる金江銀子が恋するお相手ですが、本当にかっこよかったんだなとしみじみです。

遊子を口説いている編集者にうじきつよし。恋人薬に狂言師の和泉元彌が登場してくるのにはびっくり。あと、藤子不二雄石ノ森章太郎赤塚不二夫らの有名漫画家が本人役として登場するところも見どころですね。

舞台は、1981年代から1991年、バブルな雰囲気もプンプンしています。肩パット、原色のミニスカ、銀座の街並の描写もギラついていて気分が上がりました。

 

 

映像が美しい


オープニングに出てきますが、この映画は、東宝創立60周年記念につくられたもののようです。当時、力を入れた作品なのでしょう、登場人物が豪華なのも頷けました。

挿入歌もワムの『ラストクリスマス』で、アゲアゲでミーハーな雰囲気が出ているのですが、そこはやはり森田芳光監督の作品なこともあり、映像は幻想的で美しい。台詞もいいと思いました。

 

 

 

死ぬ運命は変えられない?(ネタバレあり)


タイムリープを繰り返す遊子と銀子は、最初は過去の知識を使って成功します。

たとえば未来を知る遊子は、売れている漫画を先に発表して名声を得ます。でもそれは自分の実力ではないし、本当に自分が認められたわけではありません。

だから今度は自分が本当に描きたい漫画で勝負したいと思い直します。

また、お金と愛を求める銀子は、最初の結婚は失敗しますが、やり直すことで思いを寄せていた彼(デビッド伊東)とパートナーになれた。

ただ二人は、自分が死ぬ運命がわかっているから、結婚、妊娠という未来を受け入れられず、パートナーとの関係はぎくしゃくしてしまいます。

 

未来を変えて幸せを掴む(ネタバレあり)


遊子と銀子はタイプは違うけれど、だからこそ気が合うのか、未来を知る者同士、支え合いながら、それぞれの時間を生きていきます。

やがて遊子は、デビット伊東演じる倉美タキオとのあいだに子供を授かりますが、自分が死ぬ運命なことから、結婚と出産に戸惑いを感じてしまう。


遊子は、恋人の狂言師、夏木寿也が外国から帰国の連絡を受けますが、それが事故機とわかり、彼を搭乗させないように必死に止める。でも彼はその飛行機に乗ってしまう。

狼狽える遊子に、銀子は「これまでと今回は違う、だから彼が帰ってきてくれると信じることで、現実だって変えることができるはず」と伝えます。

最初は信じられなかった遊子でしたが、銀子の言うことを信じて、彼が空港の到着口から出てくるのをイメージする。

すると飛行機は大幅に遅れたものの無事に到着。

遊子と夏木は抱き合い。
また、銀子も倉美と抱き合います。

そして、遊子はゴルフのコースに立っている。

この場所で命を落とした遊子は不安でいっぱい。でも銀子の励ましで、過去の恐怖に打ち勝つことができたのでした。

 

残念だったところ

 

タイムリープがわかりにくい


遊子と銀子だけにどうして不思議な力が備わったのか、また、タイムリープが起こるタイミングも曖昧な印象でした。

あと銀子が亡くなるところは出てきませんでした。遊子のピンチだけ乗り切ったらそれでめでたしめでたしなラストにちょっと疑問です。


▼タイムリープの邦画はこちらにも

 

noji-rei.hatenablog.com

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それではまた。のじれいか でした。

【Amazon Prime】ドラマ『モダンラブ・東京』見応えアリなオムニバス恋愛劇【ネタバレ・感想】

 

(画像:amazon.co.jp より)

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

Amazon Prime オリジナルドラマ『Modern Love モダンラブ・東京~さまざまな愛の形』は、タイトにもありますが、まさに、あらゆる愛を描いたオムニバスドラマです。

こちらはニューヨークタイム紙に掲載されたコラムをもとにつくられた物語で、これまで、アマゾンプライムでシーズン2まで配信されてきた人気シリーズ。

今回は場所を東京に移してのシーズン1になります。

 

どのストーリーも見応えがあって楽しめた

監督もキャストも豪華、これは必見

 

ストーリー紹介と個人的な考察を描きます、よろしければお付き合いください!

 

 

 

【Amazon Prime】ドラマ『モダンラブ・東京』

2022年 シーズン1 全7話 


Amazon primeで配信してます!


Prime Video

 

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epi1『息子の授乳、そしていくつかの不満』

キャスト:水川あさみ、前田敦子、梶芽衣子
監督:平栁敦子 38分


ストーリー
キャリアウーマンの高田真莉は、パートナーの彩と2人の子供を育てている。下の息子はまだ授乳期で、忙しい日々の中でも、真莉は母乳の育児にこだわっている。
真莉は、ある日海外出張に留守をすることになり、幼い息子を母に託すことに。出張先でも母乳を搾乳して冷蔵保存する、という涙ぐましい努力を続ける真莉なのだが。

ひとことコメント
ジェンダーカップルの子育てが新鮮でした。母乳がテーマになっているので、男性の女性だけの方が清潔感のあって神聖なものとして受け止めることができました。
女性同士のカップルの出会いや、父親は誰なのかと、気になるところはありますが、ここでは働く女が子育てをするシンプルな物語に徹しています。
真莉は自分がアレルギー体質なのは粉ミルクで育てられたことが原因していると、息子を母乳で育てようと必死。そのため周囲への感謝を見失っていました。人は余裕がないとき視野が狭くなってしまいがちですが、ときに肩の力を抜うことも大切だということを教えてくれます。


epi2『私が既婚者と寝て学んだ事』

キャスト:榮倉奈々、柄本佑、高良健吾
監督:廣木隆一 41分


ストーリー
大学で生物学を教えている佐藤加奈は、フリーライターの圭介とセックスレスとすれ違いが原因で離婚した。圭介とは友人付き合いが続いているが、加奈は満たされない思いを既婚者と身体を重ねることで満たそうとしていた。出会い系で知り合う男に、妻との関係を尋ね、男を白けさせてしまう加奈だが、男たちにも事情があった。
そんなことをするうち、加奈は別れた圭介との関係を見つめ直すようになっていく。

ひとことコメント
セックスレスの気まずさとすれ違いから離婚を選んだ加奈と圭介のカップル。でも二人とも嫌いになって別れたわけではない。むしろ深い信頼を寄せていることがよくわかるので、新しい関係が構築できるのかが見どころになります。

また、橋梁について雑誌の連載が決まった圭介と、かつて訪れた『新田橋』を訪れたときのことを、加奈が思い起こす場面は切なくも美しい。橋を人生や生死感にたとえるところも好きでした。


epi3『最悪のデートが最高になる日』

キャスト:伊藤蘭、石橋凌、藤原季節、三浦透子
監督:山下敦弘 38分


ストーリー
学芸員の倉田奈津子は、離婚して三年が経過。60歳を過ぎて断捨離に励んでいたが、友人に勧められマッチングアプリで同世代の男性と会うことに。
相手は内装業を営む速水という男。最初はギクシャクしていたが、美術や映画で盛り上がり、夕食も一緒にということになった。やがて奈津子は昔やはり文通で出会った男性と最悪のデートを語り出す。それを聞いていた速水は、だんだんと表情を曇らせていくのだが……。

ひとことコメント
シニアがマッチングアプリを使ってデートをするのですが、想像しなかったオチで面白かったです。伊藤蘭と石橋凌が待ち合わせるカフェに、やはりマッチングアプリで出会った若いカップルとして藤原季節と三浦透子が登場するのはよかった。

60歳を過ぎると断捨離をしたくなるものだけれど、人生はまだ長いから新陳代謝が必要、という木野花演じる奈津子の友人の言葉に説得力がありました。

人に歴史あり。若気の至りも長い年月が笑い話に変えてくれるそんな物語でした。

epi4『冬眠中のボクの妻』


キャスト:成田凌、夏帆、阿佐ヶ谷姉妹、野間口徹、平岩紙
監督:荻上直子 42分


ストーリー
トリマーの健吾とデザイナーの真衣は結婚して3年目の夫婦。職場の人間関係からうつ病を患ってしまった真衣を、健吾はやさしくフォローして夫婦として何気ないようで大切な時間を過ごしていく。


ひとことコメント
職場で追い詰められてうつ病になっていくデザイナーの心理が見頃に描かれていました。急かされ、ちくちく嫌味を言われるうちに、追い詰められていく真衣は、夜泣きながら「全部私のせい」と自分を責めるようになります。

そんな真衣を夫の健吾が支えるところがよかった。また明るく描かれるので悲壮感はあまりないのですが、働いていると思い当たるところもあり、ちくりとするところも。

うつで動けなくなった真衣が自分をトドと例えるところなど、ユーモアもあってよかっった。

epi5『彼を信じていた十三日間』


キャスト:永作博美、ユースケ・サンタマリア、國村隼
監督:黒沢清 41分



ストーリー
テレ局の報道部で働く篠原桃子は結婚したことがない自分には欠陥があると思っている。あるとき結婚相談所で鈴木洋二という男性を紹介される。

だが、事前に渡されていた洋二のプロフィール写真は、目の前にいる彼とはまったくの別人。洋二はそれを先方の手違いだと言い、桃子もそれを信じる。

その夜、桃子と洋二は意気投合し、桃子は洋二はその後も交流を続ける。
だが、どこか洋二は謎めいている。あるとき桃子は電車の中で、鈴木洋二のプロフィール写真の男性を見かけて声をかける。


ひとことコメント
桃子はバリバリ働いていて社会的に成功している女性ですが、結婚をしたこともなく自分を欠陥だらけの人間だと思っている。だからどこか満たされず、幸せそうではありません。そういう草臥れた雰囲気を永作博美はとてもよく出していました。

桃子が出会う鈴木洋二を演じるのがユースケ・サンタマリアですが、やはりどこか不気味というか影のある雰囲気がよく出ていました。夢のように儚げで切ない物語です。



epi6『彼は私に最後のレッスンをとっておいてくれた』

キャスト:ナオミ・スコット、池松壮亮
監督:平栁敦子 39分


ストーリー
ロサンゼルス在住のエマは、旅行資金のため英会話オンラインレッスンを副業にしている。その授業でエマは、東京の大学院生のマモルと出会う。

話していくうち、マモルは「愛とは何か」とエマに尋ねる。

トウモロコシの研究をしているマモルは、「トウモロコシは人に似ている、丁寧に手をかけなければダメになってしまうから」と話す。そんな彼のことをもっと知りたいと思うようになるエマ。

オンラインは誰に当たるかわからない仕組みだったが、マモルは最後の授業にどうしてもエマと会いたいとエマを探していた。

二人はSNSで繋がり、電話やチャットで話すようになり、やがて会うことになる。そしてマモルが暮らす東京を訪ねるエマは、感動の出会いをイメージしていたのだが。


ひとことコメント
ずっとチャットや電話ばかりで会話をしていると、最初はどうしてもぎこちなくなってしまう、そんなありがちなところがよく出ていました。

あと日本人男性のいい意味でのシャイさもよかった。ハッピーエンドでほっこりできる物語でした。


epi7『彼が奏でるふたりの調べ』

キャスト:黒木華(声)、窪田正孝(声)
監督:山田尚子 31分


ストーリー
会社員の櫻井珠美は、仕事もプライベートでもうまくいかない毎日を過ごしていた。何者かになれると信じていた日々は遠い過去になっていた。

そんなある日、昔聞いた音楽を聴いた珠美の心は、15年前の高校生の頃に戻っていく。それは、当時恋をした梶谷凛に寄せたほのかな恋心だった。

ひとことコメント
こちらはアニメです。「音楽は心の引き出し」この刺さる一言が物語の核ともいえる部分。
「音楽は心の旅」ってキャッチも昔のCMであったみたいですが、誰もが持っている思い出の一曲から心が動き、やがて現実も少しずつ変化する、そんなところが夢があってよかったです。

 

▼こちらもアマプラの人気ドラマ。

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。

【映画】『俺俺』三木聡と亀梨和也が描きだす不思議世界【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『俺俺 』は、日常に満たされない男が、ちょっとしたきっかけで働いた俺俺詐を景気になぜが俺が増えていく、という話。

SFサスペンスにジャンルされてるみたいですが、どういう映画と説明し難い不思議な物語でした。

 

主演の俺は亀梨和也。33の俺が登場します

三木聡監督の独特の世界観が楽しめる



すごく謎めいていて、色々深堀できる話ですが、そうでなくても楽しめます。

ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『俺俺』

 

作品情報


監督:三木聡
原作:星野智幸

2013年 119分   

<キャスト>
・永野均(亀梨和也)
・サヤカ(内田有紀)
・タジマ(加瀬亮)
・サヤカの夫(渋川清彦)
・南(ふせえり)
・永野マサエ(キムラ緑子)
・大樹の母(高橋恵子)

 

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ストーリー


アラサー男の永野均(ひとし)は、カメラマンの夢を諦め、家電量販店のカメラ売り場で働いている。仕事もやる気がでず、つまらない毎日を送っていた。ある日、均がファストフードにいると、隣り合わせた男が話に夢中になって、均のトレイに携帯を置き、均はその携帯をこっそり持ち去る。

会話を聞いていた均は、その携帯が大樹(だいき)という男のものだと察していた。均が持ち去った携帯をチェックしていたところ、母親から着信が。均は大樹の声を似せて、振り込み詐欺を働き、まんまと90万を振り込ませることに成功した。

だがその晩、均が帰宅すると、アパート部屋の照明が灯り、見知らぬ女性が食事の支度をしていた。

その女性は大樹の母。振り込め詐欺がバレたと悟った均は、大樹の母に謝罪するも、なんと大樹の母は、均を大樹と呼び、自分の息子と信じ切っている。

なにがなんだかわからない均は、仕方なく大樹として母に接する。大樹の母に着いて行くと、家には、均と同じ俺と撮った写真が飾られていた。

そこで均は、自分の実家に帰ってみると、インターフォン越しに出た母・マサエは、均を他人として扱い明らかに迷惑がっている。すると家から均にそっくりな男(俺)が出てくる。

実家にいた別の俺と話した均は、昨晩マサエの元にもう一人の俺が現れたことを知る。

そのマサエといたもう一人の俺は大樹で、大樹はもう一人俺がいると話す。大樹に呼ばれて出向くと、そこには学生の俺・本山ナオキ(ナオ)がいた。

その後三人の俺は、ナオの住むボロアパートで、俺たちだけの居心地のよい時間を過ごす。三人はナオの部屋を、猿山にたとえ本山から「俺山」と名付け、俺たちのアジトのようになっていく。

それから俺たちは、均に接近する謎の美女・サヤカの夫たち一味をやっつけるなどして、絆を深めていくのだが……。


好きなところ

 

三木聡の不思議な世界観


登場人物の不思議さや、室内の独特な雰囲気、街並といったちょっとした場面にも手を抜いていないのが伝わりました。独特な雰囲気があり、ストーリーをより不思議に見せています。

ふせえり、岩松了、松重豊、松尾スズキ、渋川清彦といった個性的なキャラが各場面に登場し、不思議な空気を発散させます。

 

▼これが好きな人は楽しめると思う。

 


ロケ地も個性的で謎めいている。「これどこ?」ってちょっと気になる場所ばかりです。

ゴリラ交差点 巨大ゴリラ像 港北区都築まもる君

goo.gl



俺たち三人がボウリングをした場所は閉店していました。


均のアパート付近の風景
千葉県若葉区千城台3丁目付近

goo.gl



深い話でもある(ネタバレあり)


永野均が俺俺詐欺をしてから、俺俺詐欺をした携帯の持ち主のはずの俺・大樹と、大学生のナオの俺が登場し、俺が三人に。険悪になるかと思えば、気を遣わない俺だけの関係に居心地のよさを覚え、打ち解けていく。

やがて謎の美女・サヤカの夫たちから襲われた均を、大樹とナオが助けることで、絆が深まります。

だけど、そのうち三人のアジト俺山に、やたら個性が強い俺がぞろぞろ現れると、均と大樹は難色を示すようになる。

「自分の中に許せる自分と許せない自分がいる」

ということです。深いですね。

最初、ナオは俺がたくさんいればいいと思っていたけれど、均と大樹に否定されて、今度はもう一人の俺、ミゾノクチを削除します。

大樹は、削除したということは削除されることもあり得ると均に話す。均たちは危機感を抱えるようになっていきます。

そうするうち、均の務める家電量販店の上司・タジマも均の目には俺に見えてしまう。

街中が俺が増えていき、それを抑えるために、今度は俺の削除が始まります。

その後、警察から俺俺詐欺について質問を受けた均は、自分の部屋に戻ると自分が削除された映像をスマホで受け取り、もしかしたら削除されたのは俺ではと不安になる。

「果てしない削除の末に増殖は収まる」


行方がわからないナオの身を案じながら、均と大樹は、互いの無事を祈って別れます。


そうして均は一旦元に戻ろうとする。具体的には警察でも聴かれたように、俺が増殖した理由は、均の俺俺詐欺から始まっている。だから均は、詐欺にあった金を返そうとしていました。

もしかしたら正解があるのかもしれないけれど、感じ方や解釈は自由にも思える。そんなストーリーは大変魅力的です。

 

ラストはどうなる?(ネタバレあり)


俺の増殖を収束させるため、俺の削除が始まりました。

ナオが行方不明になり、均の部屋は血で汚れている。しかも均のスマホには、削除され倒れている俺が映っていた。

大樹はナオを探すと言い、均は元に戻ろうとする。つまり均は俺俺詐欺をした大樹の母に金を返したいのですが、行手には別の俺が大勢現れ、阻まれてしまう。

何とか大樹の実家にやってきた均は、そこでナオと再会しますが、それはナオを装った大樹でした。薄々気づいていた均は、ナオを装った大樹が均を削除しようとしていることに気づいていた。それで均は大樹を削除する。

そして大樹の母に金を返し、唯一の俺に戻った均は、母・マサエのいる実家で、これまで呼べなかった母の名前を呼ぶのでした。

時計の色やほかにも謎が…(ネタバレあり)


・カレンダーの日付
冒頭、マサエの実家では3月。ラスト、マサエの実家では7月。その間の出来事なのですが、時系列が入れ替わっていたりするみたいです。


・腕時計の色
均はデジタルの腕時計いくつか持っているが、使っているのは赤色の時計。
ナオは黄色で、大樹は黒(デザインも違う。おそらくそもそもの大樹が持っていたもの)。
腕時計はわかりやすく着けていることもあれば、着けていないこともあります。

均はナオに家電量販店の仕事を代わってもらうのですが、そこで腕時計を交換していた。時計を戻そうとしたナオに「また頼むかも」と戻さず、均が黄色の時計を着けていました。

ラストで均が外したのは黄色の時計でしたが、おそらくナオと均はどこかで腕時計を交換していた。つまり俺こと均はナオであったことが予想できます。


人間の多面性と自意識。他人にはなかなか心を開けないもの。
だけど特別な存在と思っている自分は、実はそれほど他人と変わりはないのかもしれない。


そんなことを伝えたい物語みたいです!

 

残念だったところ

 

難解なので考えるとキリがない

 

あらゆる場面が謎めいていて、一度見ただけではわからないかもしれません。

アマプラなら繰り返し見れますよ。

 


Prime Video

 

▼亀梨和也の出演映画はこちらにも

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『裏アカ』瀧内公美の演技に痺れた・犯人は誰?【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『裏アカ 』は、都会暮らしの女男が、SNSの裏アカを使って一夜限りの出会いを繰り返しながら、心の空洞を埋めようするお話しです。

幻想的な雰囲気。滝内公美の演技が凄かったわ

神尾楓珠がふつくしい〜



ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『裏アカ』

 

作品情報


監督:加藤卓哉

2016年 105分   

<キャスト>
・伊藤真知子/March(滝内公美)
・島原努/ゆーと(神尾楓珠)

・真知子の同僚(市川知宏)
・新堂さやか(SUMIRE)
・真知子の会社・社長(田中要次)
・飲み屋のおばちゃん(ふせえり)

 

www.youtube.com

ストーリー

青山にあるアパレルショップの店長・伊藤真知子は、仕事が生きがいだが、失敗続きで上手くいかず、後輩の新堂さやかに立場を奪われてしまう。立ち止まった真知子は、自分が何もないことに気づき強烈な虚しさを覚えてしまった。

仕事ばかりで恋人がいない真知子は、SNSの裏アカを作り、そこに自分の体を晒す。投稿を続けるうち裏アカのフォロワーは増えていき、やがて裏アカの「ゆーと」という、年下の男と知り合う。

実際に会うことに躊躇っていた真知子だったが、「一度だけ会おう」という言葉に、ゆーととリアルで会い、関係を持つ。

でも、ゆーとと会う条件は一度だけ、次はないと言われてしまう。

ゆーとと会えない真知子は、SNSで出会いを繰り返すが、満たされることはない。

一方で、真知子の店の売り上げが下がり、回復策が必要になる。そこで真知子が以前社長に提案した百貨店とのコラボレーション企画を始めることになるのだが、本社の担当として紹介された、島原努はゆーとだった。

 

好きなところ

 

真知子の虚しさがわかれば…


この映画は評価が分かれているみたいです。そもそも肉体関係だけで虚しさを埋められるはずがないので、たどり着く先にあるのは絶望だけ。それでも何もせずにはいられないほど苦しいときもある。真知子はそのくらい追い詰められていました。

終盤近く、ブランドリニューアルのレセプションパーティで、男たちと遊びの関係を持ったときの動画と(もちろん顔はない)指輪や服などで真知子と断定している動画が、何者かによって流されてしまいます。

ショックを受けながらも真知子は「あれは私です、誰かに見てほしかった、誰かに認めてほしかった」と叫びます。

たんなる認証欲求といってしまえばそれまでですし、後輩に持っていかれたくらいで余裕がないと思う人もいるのかもしれない。でも仕事は認められて成立するもので、認められなければ成立しない。とはいえ所詮は他人の評価もあやふやですから、誰かからの評価ってもの自体が、おぼつかないものないものなんですよね。

一方で、ゆーとこと島原努は、何をやっても上手くできてしまい、生きることに喜びを得られず苦しくなっている。どうせ仕事で成功したって忘れられてしまうのだから、適当でいいんだと真知子に語りかけながら涙を流すわけです。

つまり種類は少し違うけど、生きていて苦しいという意味ではゆーとと真知子は同じ。だからゆーとは真知子を自分と同じ人間だと感じていた。


日常に虚しさを感じたり、埋められない何かがあると気づく人には伝わる映画なんじゃないかと思いました。

 

滝内公美の存在感がすごい(ネタバレあり)


とにかく滝内公美がすごかったです。アパレル店長らしいヴィジュアルも三十代らしくて貫禄があるけれど、年下のゆーとの言葉に翻弄される、自信なげな表情を見せるところもよかった。あやふやで心許ない雰囲気がとてもよく出ていました。

ゆーとに会いたくて、やっと再会できた真知子は、ゆーとが結婚することも知っていたけれど、そこに嫉妬があるわけではない。真知子が惹かれていたのは島原努ではなく、ゆーとだから。

だけどレセプションパーティーで動画を流した犯人をゆーとだと思った真知子はゆーとを責め、最悪な別れ方をしてしまった。

その後、犯人は別の人間と知らされた真知子は、すっぴんにスウェットで、ゆーとと初めて一緒に入った大衆居酒屋で食事をします。

だけどそこにはゆーとはいない。同じような客がいるなかで、真知子の姿が別人のように違う。

店を出た真知子は川沿いの橋を走り続けるのですが、切なさが込み上げます。


神尾楓珠がかっこいいぞ


神尾楓珠が堪能できます。あの容姿はデカダンスな役柄と合っているかも。

滝内公美とは、実年齢でも10歳くらい離れているのですが、無理に若づくりせず、実年齢の大人っぽい雰囲気にした方が、神尾楓珠演じるゆーとと、リアルではない出会い方をしているっぽさがよく出ていると思いました。


動画を流した犯人は誰??(ネタバレあり)


レセプションパーティで真知子の動画を流した犯人は、真知子の会社のウェブチームのオカダです。

おそらくオカダは真知子のことが好きだった。またおそらくオカダは真知子の裏アカにもしつこく絡んでいた「おっくん」というクマのアイコンの人でもあるっぽいです。



残念だったところ

 

テーマが新しいとは思えない


個人的には好みの作品で、役者も好きですし、同じことを続けていくことで感じてしまう虚しさや絶望感はよくわかる気がしました。

ただタイトルが『裏アカ』っていうのがちょっとどうなんだろう。

あとSNSの裏アカで出会うシチュエーションも既出感があるかな。


つらいのは、ゆーと・真知子だけではない(ネタバレあり)


ゆーとは、これまで、仕事も、恋愛も、すべて上手くやってきた。結婚だって自分がしたいわけではなく相手が望んだから。そしてこれから続くのは地獄だと、結婚後に住むマンションを見上げながら話し、生きている気がしないとも言います。

もしかすると、ゆーとは、自分みたいな人間は、自分ともしかして真知子くらいなものだと考えているのかもしれないけれど、それは形こそ違え、おそらく誰だって似たようなもの。


誰もが、やるせなさや空洞を持っていて、もしかしたら、ゆーとの結婚相手の女性だって一緒かもしれないんです。

心の中は人には見えません。多くの人は、そうして自分や世の中を騙し騙し生きているんじゃないかな。そんなふうにも思えました。

 

▼神尾楓珠の出演映画はこちらにも

 

noji-rei.hatenablog.com

 


 

 

それではまた。のじれいか でした。

【映画】『嫌な女』対照的な女の物語なようで人の普遍性を描いている【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『嫌な女 』は、性格や価値観がまるで違うふたりの女の物語。

心に孤独感を抱える地味な女弁護士が、詐欺師の従姉妹の弁護を引き受けることに。

吉田羊と木村佳乃のタッグが光ってた

次第に明かされる、詐欺師夏子の本音が見どころかな

 

この作品は最初、地上波ドラマで放送され、その後映画化されました。監督を務めたのは女優の黒木瞳。ドラマ版では主演の徹子を演じました。

結論から先にお話ししますと、酷評されていて興行的にも大コケだったみたいですが、そこまで悪くなかったですし、むしろ面白かったです。


ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

 

 

【映画】『嫌な女』

 

作品情報


監督:黒木瞳
原作:桂望実

2016年 105分   

<キャスト>

・石田徹子(吉田羊)
・木谷夏子(木村佳乃)
・磯崎賢(中村蒼)
・大宅みゆき(永島瑛子)
・萩原道哉(ラサール石井)

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ストーリー

幼ない頃、祖母からお揃いの向日葵柄のワンピースを与えられた、従兄弟同士の石田徹子と木谷夏子。

すると自我が強く気にくわないことを決して受け入れない夏子は、「お揃いなんて死んでもイヤ!」と、徹子のワンピースを破いてしまう。

時が流れ、徹子は勉強して弁護士になり結婚もして、いろいろ手に入れた。でも孤独感があり寂しい毎日を送っている。

徹子が働くのは、萩原道哉が経営する弁護士事務所。徹子は優秀なのに依頼人に寄り添えないため、評判は芳しいものとはいえなかった。

そんな徹子の前に、結婚詐欺師になった夏子が自分の弁護をしてほしいと突然現れる。

夏子は婚約不履行で慰謝料を求められたが、夏子は愛情がなくなっただけで金を払う気などないと突っぱねる。しかし事情を聴いていくと、マンションの名義を夏子に変更させようとしていたり、実は意図的だったことがわかる。それでも復縁を求める男の方から訴えを取り下げ、ことなきを得た。

その後、再び時は流れ、離婚して相変わらず孤独な徹子の元に、夏子が登場。

今度は、夏子が絵画詐欺で売りつけた絵の代金の返済を求められているのだが…。

 

好きなところ

 

愛されることに貪欲な女、愛を諦めている女


徹子は弁護士になっても結婚しても、自分の中に強い孤独感がある。仕事人としては、冷静でクールで優秀ですが、人と深く関わらないため、とっつきにくく、魅力に欠けているようにも見える。 

それに反して、従姉妹の夏子は定職を持たず身勝手であらゆる男の元を行き来している。結婚詐欺師に絵画詐欺とやりたい放題です。一度は結婚して子供も産んだけれど、家庭人としては暮らしていけず離婚しました。


ただ、徹子が夏子に関係する男たちから話を聞くうち、夏子の実態が見えてくる。

夏子はもちろんお金ほしさで詐欺まがいのことをしていますが、それも好きな男のため。

夏子は、誰かにとって特別な存在になりたいと思う人。たとえ好きな人から傷つけられてもメゲることなく愛を求めていることがわかります。

それは他人に期待せず心を閉ざしてきた徹子とはやはり真逆のようですが、実は傷つくのが怖かっただけの徹子にできないことを、夏子が行動に移しているところもありました。

夏子と接するうちに徹子も変わっていき、心を開いていくところが面白い。徹子の悩みは実は誰もが感じていることなのかもしれないけれど、普段口にすることではないので、自分だけではと思ってしまいがち。

 

長い時間軸がよい


物語は徹子が子供のころのエピソードから始まり、やがて司法試験に合格して弁護士事務所で務め出してから、おそらくですが、13年とか14年くらいの期間が描かれています。

弁護士事務所にカレンダーが貼っていあるのですが、徹子が入所したのが平成13年、近年で平成27年になっています。夏子が「40過ぎて」と話しているので20年くらいの話なのかも。ま、とにかく上映時間は長くないのですが、時間軸が結構眺めです。

その間に徹子は離婚。夏子は結婚詐欺の後、結婚して出産して離婚、絵画詐欺になったりと忙しい。でも好き勝手に生きている夏子も時が過ぎれば、周囲から「オバサン」呼ばわりされるようになっていきますが、夏子はメゲません。


徹子を見守る事務所の事務員が沁みる(ネタバレあり)


徹子が勤務する弁護士事務所は、ラサール石井演じる所長の萩原と、永島瑛子演じる事務員の大宅みゆきがいます。

周囲と馴染めず心を閉ざす徹子を、大宅みゆきは温かく見守り続けます。


夏子が遺産目的で老人介護をしているのですが、そこで知り合った老人から遺言作成を頼まれた徹子は、その妻に向けたメッセージを聴きながら、初めて依頼人に対して心を寄せて涙を流します。

そういう徹子の話を、大宅みゆきはやさしく聴いてきました。徹子も気付けば彼女に対して心を見せるようになっていました。

だけど、長い年月のうち、大宅みゆきは病に倒れてしまいます。

それは徹子にとって痛手だったのですが、後輩弁護士の磯崎を今度は包んでいかなければと成長していく姿がよかった。

またラストに亡くなった大宅みゆきから、徹子に向けて手紙が届きます。その内容はとてもよかった。

映画の主人公は、徹子を演じた吉田羊と、夏子を演じた木村佳乃。(ふたりのバトルシーンもなかなか迫力がありました。ラストは互いの存在を認めて和解します。)

…なのですが、永島瑛子のさりげない存在感も光っていました。

残念だったところ

 

夏子の行動があまりにダメ(ネタバレあり)


夏子が男に向けてあれこれ行動するのは、お金欲しさもあるけれど、自分が特別な存在だと認知されたい欲求からでもあった。そのあたりはすごくよく理解できたのですが、にしてもやっていることが、わかりやすく変すぎです。


あとラストで、夏子が二股をかけられていた恋人の結婚式に乗り込み、新婦に向かって「あなたのためを思って」と披露宴で男の本音を暴露するのですが、こんなのは正直大きなお世話です。

たとえ許し難いことをされたとしても、他人の結婚式をぶち壊す権利は他人にはありませんです。

 

▼女のドロドロ劇もたまにはいい?

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。

【Amazon Prime】『モアザンワーズ /More Than Words 』ゲイとおこげの葛藤と決断の先にあるのは?【ネタバレ・感想】

(画像引用:amazon.co.jpより)

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

Amazon Primeで配信されているドラマ『モアザンワーズ /More Than Words 』は、愛し合う2人の男と、彼らに寄り添う女が織りなすヒューマンラブストーリー。


登場人物がやさしくて繊細

ゲイに目覚めていく、青木柚の演技が自然でいい

 


ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

 

【映画】『モアザンワーズ /More Than Words 』

 

作品情報


監督:橋爪駿輝
原作:絵津鼓

2022年 27分〜43分 全10話  

<キャスト>

・美枝子(藤野涼子)
・瀬尾槙雄(青木柚)
・芹沢高嶺(中川大輔)


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ストーリー

2014年、高校生の美枝子は、DV彼氏から逃げたところに、偶然居合わせた瀬尾槙雄(以下、マッキー)に話しかけられる。

美恵子とマッキーは同じ高校の同級生だが、言葉をかわすのは初めて。

男とのスキンシップを望まない美枝子は、マッキーにほかの男にはない居心地のよさを感じて、行動をともにするようになる。

美枝子とマッキーが一緒にアルバイトを始めた居酒屋で、先輩アルバイトの永慈(エイジ)と出会い、今度は3人で遊ぶように。

やがて永慈は自分がゲイであることを2人にカミングアウト。加えて永慈は美枝子にマッキーへの恋心を打ち明ける。その後、美枝子の応援もあって、永慈とマッキーは付き合いだした。

美枝子は、2人が恋人になったことは嬉しいのだが、反面、居心地のよい関係が少しずつ変化していくのをどこかで感じている。


永慈は両親に、マッキーとの関係を打ち明ける。だが賛成してくれると思った父が、交際を反対。永慈の心は揺らいでしまう。


時は流れ、美枝子とマッキーは高校を卒業。美枝子は美容専門学校へ進学。マッキーはバイト先の居酒屋で働き続ける。

 

永慈の父の反対については、時間が解決してくれる、そう信じようとした3人だったが……。

 

Amazonプライムで見れますよ〜


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好きなところ

 

時間軸の長さによる人の変化が描かれる


ゲイといることを心地よく感じる女(おこげ)をテーマにした物語はそこまで新鮮なわけではない気がします。

ただ、本作は、2014年から2023年という、およそ10年という長い時間軸で3人の成長や変化が描かれるので、登場人物に寄り添う気持ちになれて、感情移入ができるところも多かったですね。(後半では1人加わり4人に…)

高校を卒業して美容学校へ進学する美枝子。夢や希望がないマッキーはフリーターとしての生活をスタートさせる。

一方でフリーターの永慈は、社長の息子なので、期待に応えようと父の経営する会社に入社する。

そんなふうに3人の関係にも徐々に変化が出てきます。

永慈の父に、理不尽さを感じた美枝子は、永慈とマッキーが別れずに済む方法は、自分が彼らの子供を産むことだと思いつきます。


美枝子の決意による影響が後半の見どころ(ネタバレあり)


永慈の父から交際を反対された永慈とマッキー。

永慈の父は、かつてアメリカで、ゲイの友人がひどい目に遭ったことからゲイに否定的。加えて後継者の心配をしている。わかりやすいけれど大変身勝手な主張をしてきます。

マッキーは永慈の父からそのことを伝えられ一人苦しむように。

その後、永慈の父は正式に、永慈とマッキーに別れてほしいと切り出します。

2人の関係を守りたいと思った美枝子は、2人の子供を産むと言い出す。

 

この美枝子の思いつきに永慈とマッキーは仰天。とはいえ、2人の子供を一度に産むのは不可能なので、どちらかの子供ということになります。

 

ゲイカップルに寄り添う女が唯一できることで、思いつきは悪くはないのかも。でもこの美枝子の決断が、結果的に永慈とマッキーを引き離すことになります。


意外な展開(ネタバレあり)


子供を産むところまでは普通に想像がつく展開ですが、その先は想定外でした。

無事、妊娠した美枝子は、子供の父はマッキーと公言していましたが、やがて永慈が父親だとわかる。(…時期をずらしていたっぽい)

マッキーも永慈も、美枝子を恋愛対象としては見ていません。親友みたいな感じです。

それでも、自分の子供がお腹にいるとわかった永慈は、生まれる前から「よき父親」になっていく。そんな永慈の変化を察した美枝子は、父親をマッキーだと言っていたのでした。

永慈は、初めての妊娠でつわりに苦しむ美枝子を放っておけず、部屋で一緒に住まわせ、やがて責任と子供を守るために結婚します。(美枝子も結局は永慈を受け入れる)

そんな状況下で3人でいることが不可能になったマッキーは、2人の前から黙って去っていくのでした。


結局、3人は初動段階で考えていたこととまったく違う方向に進んでしまいます。あまりに普通になっていく永慈と美枝子でしたが、それこそが時間というものなのかもしれません。


後半は別展開に…(ネタバレあり)


美枝子が永慈の子を妊娠して結婚したことで、マッキーは2人の前から消えてしまう。

その後、マッキーは、コンビニでバイトしながら古いアパートに暮らし怠惰な日々を過ごしていた。


やがてマッキーは、アパートの住民で小学校の同級生の朝人と再会します。朝人は美容師見習いで、マッキーに似て、目標を高く掲げるグイグイ系ではなく、現状維持でいたい穏やかでやさしい人。物足りなさはあるけれど日々暮らしていくのにはよい相手です。

そんな朝人とマッキーはやがて半同棲の状態になり、それはそれで心地よい時間が流れる。

このまま3人は会うことはないのかと思っていたところ、朝人の美容学校の同級生がなんと美枝子で、美枝子が探していることを、マッキーに伝えます。

マッキーとしては、愛する人を奪われた相手なので、気持ちは複雑なのですが、朝人の言葉に気持ちが動き、3人は久しぶりに再会します。


▼劇中の曲がよきでした。






残念だったところ

 

マッキーが切なすぎる(ネタバレあり)


美枝子は、マッキーに対しても、永慈に対しても、異性の感情は持ち合わせていなかった。だから最初は本当にゲイの2人が離れ離れにならない術として、子供を作ろうと考えたのですが、生まれてみれば、やはり家族に責任を持ちたいと考える、永慈を受け入れてしまうので本末転倒です。

なんかすごい思い切ったことを考えたわりに小さくまとまってしまった感が。

それに永慈は、自からゲイをカミングアウトしていながら美枝子と幸せな家庭というのが、すごく中途半端に思えてしまう。これを一生続けていけるんだろうか、どこかできっと破綻するのではと、未来を想像させられていまいました。

また美枝子が子供を産むことについては、反対しているのは永慈の父親なので、マッキーの子供をどうして産むことを考えるのだろう。マッキーにしても自分の子供が欲しかったわけではなかった。だったらどうしてマッキーとも関係を持ったのか解せないし、そもそも永慈との子供しか選択肢はないはずなのに、そこが疑問です。

結局、色々騒いでいたけど、終わってみれば、ただの子持ち夫婦が出来上がっただけというのも消化不良な印象でした。

あとマッキーはただただ気の毒でした。人の気持ちはどうにもなりませんが、最初にマッキーを好きになったのは永慈なのに。でも朝人がよい人でよかった。

でも長い年月が過ぎれば、人の立場や、心が変化するのは至極当然。そういうことを伝えたかったのだとすれば、すごくよく伝わっているドラマではありました。


▼アマプラオリジナル作品こちらにもあります!

 

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『兄に愛されすぎて困ってます』土屋太鳳を自分に置き換えると楽しさ倍増【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『兄に愛されすぎて困ってます』は、兄から溺愛されている以外は、ごく平凡な女子高生がモテ期を迎える、というお話しです。


原作はコミックで、『兄こま』とファンの多い作品。テレビドラマの映画版です。
ストーリーはあり得ない感が満載のベタなラブコメですが、主演の土屋太鳳演じる女子高生を自分に置き換えたりすると、楽しめますぞ。


千葉雄大が一番輝いている時期だと思った

片寄涼太か千葉雄大か、迷うのう…

 



ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『兄に愛されすぎて困ってます』

 

作品情報


監督:河合勇人
原作:夜神里奈

2017年 99分  

<キャスト>

・橘せとか(土屋太鳳)
・橘はるか(片寄涼太)
・芹沢高嶺(千葉雄大)
・芹川国光(杉野遥亮)
・美丘千雪(大野いと)
・鈴木くん(神尾楓珠)
・矢高先生(井上裕介)


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ストーリー


平凡な女子高生の橘せとかは、恋愛体質だけどフラれてばかり。

けれど兄の橘はるかからは溺愛されていた。

そんなせとかだが、あるとき急にモテ期に突入。学校ではイケメン(?)教育実習生の矢高先生や、鈴木くんから告白される。さらに幼馴染で子どものときにフラれている芹沢高嶺からもアプローチされる。

突然のモテ期に舞い上がるせとかだが、やはり心は幼いころに撃沈している芹沢高嶺に傾いていく。

そんな、せとかを見守るはるかの気持ちは複雑。

なぜなら、はるかとせとかは、兄妹ではあるけれど血は繋がっていないから。


何も知らないせとかは高嶺と付き合いだすが、やがてせとかも、はるかへの不思議な感情を自覚するようになって……。


Prime Video

 

好きなところ

 

千葉雄大がかっこいい


せとかにアプローチするイケメン男子のなかには、NON STYLEの井上裕介がイケメンキャラとして参入しているところが狙いすぎにも感じますが、それなりに面白いです。

でも結局は、せとかの心情のとおり、片寄涼太が演じる兄のはるかか、千葉雄大が演じる幼馴染で開業医の芹沢高嶺の一騎打ち勝負になっていきます。

はるかは、妹に悪い虫が付かないように、見張っているような頼もしい存在。しかもイケメンで料理上手で成績優秀という素敵なお兄ちゃんです。

一方の芹沢高嶺は、イケメンで開業医、経済力のある頼もしい存在。そのぶんプライドが高くて幼い頃せとかを振った理由も、せとかの心に、はるかがいると気づいていたから。「俺にすべてをくれないなら欲しくない」と強気だけれど、筋はとおっている考えの男性です。

この映画の千葉雄大は輝いています。眼です。


夏祭りの場面も登場するのですが、男子の浴衣姿もソソられます。


いい感じの兄と妹の恋愛物語


イケメン医師の芹沢高嶺と付き合いだした妹のせとかから、兄のはるかは距離を置きます。

いつも一緒にいた兄が傍にいないことで、寂しさを感じるせとかは、やがてはるかに対する兄妹以上の気持ちがあることを自覚する。

プライドが高く、人の気持を察することに長けている高嶺は、せとかの気持ちがはるかに向いていることに気づきます。

それで、自分からせとかを振り、二人を近づけるように仕向ける。

大人ですね〜


残念だったところ

 

ラストが想像できてしまう(ネタバレあり)


好きだった芹沢高嶺と付き合えたせとかは幸福の絶頂でしたが、すぐに兄のはるかの存在が気になるように。

兄に対する思いが、実は異性に対するもので、しかも二人は兄妹ではないと知り、せとかは激しく動揺します。

すべてを知っているはるかは、両親はせとかが高校を卒業したら本当のことを打ち明けるつもりでいることも知っている。けれどせとかに詰め寄られ、真実を打ち明けます。

最初は自分だけが他人であることにショックを受けていたせとかでしたが、それははるかとは血が繋がっていない、つまり男女として付き合えるということを意味している。

そして、はるかとせとかはお互いの気持ちに気づき両思いになり、両親の前で手をついて「僕たち付き合います」と宣言。

親は緩い人たちなので「せとかをお嫁に出さなくていいのね〜」とポジティブ発言。

『マーマレードボーイ』を思い出しました。
▼これ好きなんですよ

noji-rei.hatenablog.com

 

 

▼土屋太鳳主演映画はこちらにもあります!

noji-rei.hatenablog.com


noji-rei.hatenablog.com

 

それではまた。のじれいか でした。